12月７日の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」では、「メーカーの設
定する仕切り価格が高すぎるのが問題」（医療機関関係の委員）など、それぞ
れの立場から意見が出た。岩尾總一郎医政局長は、「各自が『自分のところだ
け損している』と言っているように聞こえる。それぞれが適度に潤う、ウイン・
ウインの関係になるような取引を目指してほしい」と会合を締めくくった。

総価取引を全面否定できないのは当事者間の自由な契約にもとづく公正取引を
うたった独占禁止法に抵触する恐れがあるためだ。しかし、仲谷博明委員（日
本製薬工業協会流通適正化委員会副委員長）は、「薬価基準は研究開発型メー
カーにとって財産。一律何パーセント引きというような製品の価値を無視した
取引は是正を強くお願いしたい」とさらに踏み込んだ対応を求めた。

未妥結・仮納入の是正について松谷高顕委員（日本医薬品卸業連合会長）は、
「要求される価格条件が厳しく、交渉の場が持たれないケースも多い。交渉そ
のものが１年たってからという状況で、もっと早く始めて欲しい」と問題提起
した。