キリン 営業利益13.7%減、EPO包括化の影響で通期予想を下方修正
公開日時 2006/08/10 23:00
キリンビールは8月10日、06年12月期中間(1―6月)決算を発表した。医薬
事業部門は、アジア市場を中心とする海外事業が好調に推移したことなどを受
けて売上高は前年同期比2.5%増となった。一方、営業利益は、4月の診療報
酬改定でのエリスロポエチン製剤エスポーの包括化による影響や、エスポーや
G-CSF製剤グランの自社販促への切り替えに伴う販売促進費の増大などが響き1
3.7%減。研究開発費は横ばいの95億円だった。
エスポーの売上は、包括化の影響で5億円減の189億円。ただ、四半期ごとで
見ると、4―6月は99億円で、包括化前の1―3月を9億円上回った。「薬価
改定前に通常起こる買い控えや患者数の増加が要因として考えられる。しかし、
05年4―6月が112億円だったのと比べると、明らかに減っている」と説明し
ている。
下半期は、包括化の影響をフルに受けるが、患者数が年間4%増えると予想し、
上半期実績の189億円を12億円上回る201億円を見込む。通期予想は390億円で、
これは当初予想の442億円を52億円、05年実績の431億円を41億円下回る水準。
医薬事業全体の通期予想も、売上高を680億円から650億円に、営業利益は120
億円から100億円に下方修正した。
同様に包括化の影響を受けた中外製薬は7月31日の中間(1―6月)決算発表
時に、エポジンの06年売上予想を当初の720億円から640億円(05年実績718億
円)に引き下げている。
〔連結実績(前年同期比)通期予想(当初)〕
売上高 312億円(2.5%増)650億円(680億円)
営業利益 49億円(13.7%減)100億円(120億円)
●〔1―6月実績(前年同期)通期予想(当初)、億円〕
エスポー 189(194)390億円(442億円)
グラン 71(71)152億円(150億円)
ロカルトロール注 10(9)20億円強(20億円強)
フォスブロック錠 11(9)20億円(20億円)