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ソラフェニブ 投与患者6割に手足皮膚反応、用量低減などで管理可能に

公開日時 2006/11/13 23:00

【チェコ・プラハ=小沼紀子】独バイエルの腎細胞がん治療薬「ネクサバール」
の皮膚関連の副作用やその処置方法などを調べたプロスペクティブ試験の結果
が明らかになった。フランスのギュスタフ・ルーシーがん研究所のBernardEsc
udier氏らが発表したもので、ソラフェニブ投与群の6割に手足皮膚反応が現
れたが、用量低減や治療の中断などで症状を管理できると報告した。

03年11月から16ヵ月間にわたって行われた進行性腎細胞がんのフェーズ3試験
「TARGETs」では、再発または転移し、全身治療が不可能となった腎細胞がん
(RCC)患者85例を無作為にソラフェニブ投与群(43例)とプラゼボ投与群(4
2例)に割り付け、ソラフェニブ群には400mgを1日2回投与し、同剤の安全性
と効果を調べた。

ソラフェニブ投与群では60.5%(26例)に手足皮膚反応(HFSR、角質化して皮
膚が厚くなり剥がれ落ちる症状)が確認され、グレード1が37.2%(16例)、
同2が18.6%(8例)、同3が4.8%(2例)で重篤なものはなかった。HFSR
が理由で試験からドロップした患者は1人もいなかった。HFSRの症状は、主に
手のひら(14例)や足裏(18例)に発現した。グレード3を発症した患者では、
用量を半分に減らすことで3~4週間で症状を軽減できた。HFSR発症者の14%
で角化亢進が確認された。

同試験では、HFSRは用量低減、治療の中断、膏薬療法などで容易に管理できる
と結論づけるとともに、サブ解析においてHFSRと無憎悪生存期間(PFS)の間
に統計学的に重要な関連性はなかったとした。手足皮膚反応以外の副作用には、
顔や頭皮の紅斑病変や発疹がソラフェニブ群で63%、プラセボ群に2%確認さ
れたほか、頭皮の知覚異常がソラフェニブ群で49%、プラセボ群2%報告され
た。

TARGETsの試験責任者を務めたBernardEscudier氏は、本誌の取材に対し「特
に皮膚が柔らかい患者だと簡単に剥がれ落ちてしまうので、痛みが特に激しい
が、そのメカニズムがまだ分かっていない。ソラフェニブを使うにあたっては、
こうした副作用を伴うことを患者にきちんと伝えることが重要。皮膚疾患が現
れた際はクリームを塗ったり、痛みがあれば病院に行き、用量を下げることな
どの処置が必要になる」と語った。

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