ファイザーのスーテント グリベック耐性GIST患者への最新知見
公開日時 2006/10/22 23:00
「グリベック」(ノバルティスファーマ)に耐性を示すGIST(消化管間質腫瘍)
患者への、「スーテント」(ファイザー)による治療の最新知見が報告された。
発表した愛知県がんセンター中央病院消化器内科部の澤木明医長によると、エ
クソン9の遺伝子変異のある患者で腫瘍縮小効果が高く、グリベックとは異な
るジェノタイプの患者に効果があると解説した。
スーテントは複数のチロシンキナーゼ(PDGFR、VEGFR、KIT、FLT3)を標的と
するマルチターゲット型チロシンキナーゼ阻害剤で、今年1月に米FDAに承認
された。適応はグリベック投与中の進行GISTあるいはグリベックに忍容性のな
いGIST患者。日本では未承認。
一方、澤木氏はグリベック400mgを投与してPD(悪化)に至った場合の国内で
の選択肢として「グリベックの治療を突然やめてしまうと予後を悪くすること
がある。急に腫瘍が大きくなる場合があるので、グリベックの投与を続けるこ
とが重要」と語った。さらに「グリベック増量のタイミングは難しいが、エク
ソン9の遺伝子変異があるGIST患者では増量効果はあるし、スーテントも今後
市場に出てくる」と可能性を指摘。ジェノタイプの解析により今後はテーラー
メイド医療が可能になるとの見方を示した。