ヤンセンファーマの関口康社長は４月２日の記者会見で、06年の売上高が対前
年比11.8％減の739億円（決算報告ベース）だったと発表した。薬価ベースで
は4.6％減の917億円で、目標として掲げていた1000億円には届かなかった。薬
価改定の影響（５％以上の引き下げ）に加え、抗真菌剤イトリゾールの市場縮
小などに伴う売上減などが響いた。

99年から７期連続２桁増収を続けてきたが、一転して２桁減収となり、関口社
長は「ヤンセンは新しいステージに入った。これからは毎年４製品くらい新発
売できる可能性があり、もう一度力を蓄えて高い成長率を実現していく」と語
った。

主力品の売上高（薬価ベース）は、▽リスパダール（統合失調症）が13.8％増
の330億円▽イトリゾールが27.9％減の188億円▽デュロテップパッチ（がん性
疼痛）が5.5％増の183億円▽トレドミン（SNRI）が0.8％増の36億円▽ニゾラ
ール（外用・真菌）が4.5％減の33億円─。イトリゾールの減少は薬価の特例
引き下げの影響（13.2％）、後発品参入による競合激化と10％以上の市場縮小
などが要因。

営業面では、2010年を見据えた基盤づくりのためのプロジェクト「DDD10」の
検討を開始した。第１弾として今年１月に組織再編を実施。昨年新設した血液
腫瘍科のMRを増員中（現在60人配置）のほか、CNS課を増設。

開発面では、組織の再編やプロセスの標準化を推進。進行中の開発プロジェク
トは30にのぼる。海外との連携強化のためにスタートした「Concerto（コンチ
ェルト）プロジェクト」や、臨床試験の質向上とスピードアップを図るため開
始した「STEP活動」などにより、「社員のモチベーションは向上している」と
いう。現在、６品目が承認申請段階。今年は６品目の承認を目指し（２品目は
承認済み）、３品目の承認申請を計画（２品目は申請済み）している。【詳細
は最下段】