製薬協の医薬産業政策研究所は５月29日、「製薬産業の将来像・2015年に向け
た産業の使命と課題」を公表した。15年の将来像として▽世界トップレベルの
新薬を創出（米国に次ぐ新薬創出国の地位確立など）▽アジアでの新薬開発ネ
ットワークの中核（国際共同治験参画率を主要国並みにするなど）▽新薬と情
報へのアクセス改善（患者満足度で世界トップクラスなど）▽国際競争力のあ
る日本のリーディング産業―を提示。

15年に向けて薬価制度を抜本的に見直す必要性を示し、「企業に価格設定の裁
量をより広範囲に認める方向で検討すべき」とした。また
「長期的には実費償還制度（医療機関が購入した価格で償還）への改革を視野
に入れつつ、当面は現行制度に修正を加えていくことが必要」とし、「合理的
と認められる乖離幅を設定し、その範囲内で市場価格が形成されている品目は
定期的な薬価改定の対象外とする」との案を例示した。

その上で「特許失効後は先発品から安価な後発医薬品へのシフトが進むような
施策を強化することにより、薬剤費全体への影響は限られたものとなる」との
見解を示した。