中外製薬 新中計、「足元の売上水準低下」を反映
公開日時 2008/01/30 23:00
中外製薬の永山治社長兼CEOは1月30日の07年12月通期決算会見で、新中期経
営計画「Sunrise2012」を発表した。高成長の基調に変化はないとしながらも、
足元の売上水準が低下していることを踏まえ、業績の成長予想を見直したもの
で、12年の連結売上高4600億円、営業利益800億円(営業利益率17.4%)を目
標とする。
05年からスタートした中計「Sunrise2010」(06年2月に目標数値を上方修正)
で掲げた10年の売上高4500億円、営業利益1000億円(営業利益率22.2%)の目
標値に比べ、営業利益が下回っている。
永山社長は計画見直しの理由として、▽大腸がん治療薬アバスチンの薬価が想
定より低かった(海外価格より25%ほど低く、07年売上が35億円と当初予想の
80億円を大幅に下回った)▽収益性の高い腎性貧血治療薬エポジンの競合品ネ
スプ(キリンファーマ)に予想以上に低い薬価がついた影響で、市場シェアを
維持するために仕切価を下げざるを得なかった▽新製品の一部で安全性の全例
調査が義務付けられ、市場での立ち上がりが遅れたほか、モニターのコストが
増加した▽ポートフォリオの内容が過去と比べてロシュ品の比率が高まり、原
価が上昇した▽サノフィ・アベンティスと国内7品目の販売提携が終了した―
―などの影響を踏まえたものと説明した。