第一三共R&D説明会 プラスグレル、出血ハイリスク患者は低用量を推奨
公開日時 2008/02/21 23:00
第一三共は2月21日に開いたR&D説明会で、ブロックバスター化を期待する抗
血小板剤プラスグレルに関し、出血リスクの高まる脳卒中の既往歴、75歳以上、
体重の軽い(60kg未満)患者に対しては低用量での投与が推奨されるとの見解
を示した。75歳以上の患者では5mgの投与が推奨されるという。現在、欧米で
申請中。
同剤のフェーズ3「TRITON TIMI-38」の結果で対照薬のクロピドグレル(プラ
ビックス)に比べ、プラスグレルで有意に重度出血例が多かったことを受けて、
グローバル研究開発の責任者であるジョン・アレキサンダー博士が説明した。
出血リスクを踏まえ、上市直後は治療経験のある心臓専門医を中心に普及させ、
安全性が確認された後に段階的に他の医師に使用範囲を広げていく方針も示し
た。
経皮的冠動脈形成術(PCI)を受けている急性冠症候群(ACS)患者のアテロー
ム血栓性イベントの予防のために開発された薬剤。TRITON-TIMI38試験では、P
CIを受けているACS患者1万3608人を対象に、アテローム血栓性イベントの軽
減(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中の複合評価項目)をクロピ
ドグレルと比較し、安全性と有効性を評価した。その結果、出血イベントがク
ロピドグレル1.8%に対し、プラスグレルは2.4%と有意差をもって高かった。
生命を脅かす重大な出血イベントは0.9%対1.4%、致死的な出血イベントは0.
1%対0.4%と、いずれもプラスグレルのほうが高かった。