中垣俊郎厚労省審査管理課長 国際共同治験が加速
公開日時 2008/02/27 23:00
厚生労働省医薬食品局の中垣俊郎審査管理課長は2月26日の北里・ハーバード
シンポジウムで挨拶し、「国際共同治験がここ1~2年で急激に増え、50~60
件が準備・実施されている」と報告した。
中垣氏は「海外で開発された薬剤を日本に早期導入するためには、従来のブリ
ッジングではなく国際共同治験が威力を発揮するものと期待している」と強調。
治験のスピードについても「生活習慣病や一部の分野で抜本的に改善され、そ
の成果が3~4年後に表れてくると期待している」とした。
米FDAのクリティカルパス・レポートによると、米国では臨床試験に入ってか
ら承認に至る確率が8%であるのに対し、日本は約30%と解説。「米国のよう
に新しい技術をもっと積極的に臨床で試していく姿勢が必要。一方で、30%と
いう数字を少しでも向上させるために評価技術・方法論を研究する必要がある」
と述べた。
さらに、国内で開発された新薬をより早く世界の患者に届けるためには、▽マ
イクロドーズのような探索的臨床試験の実施▽POC(人での薬効の証明)試験
を国内で早く実施できる環境整備▽フェーズ3など大規模な国際共同治験の実
施▽国全体としてバイオマーカーや評価技術のプラットフォームの整備――の
必要性を挙げた。