サノフィ・アベンティス 売上倍増の実現視野に、クレキサン発売へ
公開日時 2008/03/13 23:00
サノフィ・アベンティスのフィリップ・フォシェ社長は3月12日の記者説明会
で、07年度の業績と今後の成長戦略について説明した。IMSデータでは、売上
は05年4月に1250億円、国内18位だったが、07年12月には2150億円、13位に上
昇。08年は2桁成長を目指し、05年から目指してきた「ダブル・ザ・サイズ」
(売上倍増計画)の達成とトップ10入りを「来年初めまでに実現することができ
る」と述べた。
07年の品目別売上は、抗血小板剤プラビックスが処方制限の終了や脳梗塞に続
く新適応としてACS(急性冠症候群)を取得したことで急速に拡大。抗アレル
ギー剤アレグラは市場シェアを3.2ポイント拡大し、20.8%となった。アマリ
ールは経口血糖降下剤市場でシェア36%、抗不整脈薬アンカロンはリスモダン
を含めてシェア32.9%を獲得した。
昨年は中外製薬や第一三共、アステラス、三菱ウェルファーマ(現田辺三菱製
薬)といった国内企業との提携を相次いで解消した。今後については「もう少
し強気で外部との提携による成長の可能性を考える必要がある」と強調。M&A
の方針については「現状では必ずしも必要なわけではないが、環境を見据えて
判断していきたい」と述べるにとどまった。
08年度の事業目標は、▽糖尿病領域(持効型インスリン製剤ランタス、経口薬
アマリール)の活動強化▽DVT(深部静脈血栓症)予防の血液凝固阻止剤クレ
キサンの発売▽抗がん剤タキソテールの前立腺がんの適応拡大――。糖尿病領
域では将来、超速効型インスリンのアピドラ(申請中)やGLP-1阻害剤「AVE0
010」(開発中)、抗肥満薬アコンプリア(フェーズ3)がラインナップに加
わることで、「全ての治療段階に対応できる製品が揃う」とした。クレキサン
は今春に発売予定だが、「まだ認識されていない市場のため、創造していくこ
とになる」とし市場開拓に意欲を示した。
グローバルの研究開発ポートフォリオの国内開発も推進する方針で、今年は糖
尿病領域で1品目、末梢動脈疾患領域(遺伝子治療薬のフェーズ3)で1品目
の国際多施設共同治験に参加する。将来はがん領域2品目で参画する予定。国
内の開発パイプラインは29品目で、承認申請中が5品目、フェーズ3に8品目
ある。MRは1500人超。