大日本住友製薬 統合失調症治療薬ロナセン発売、CNS領域を強化
公開日時 2008/04/21 23:00
大日本住友製薬は4月22日に統合失調症治療薬ロナセンを発売すると発表した。
同社の統合失調症治療薬としてはセレネース、ルーランに次ぐ、3製品目の薬
剤となる。吉冨薬品と共同で販促活動を展開し、ピーク時の8年目に売上120
億円を目指す。CNS領域の専門MR(昨年10月時点で80人)を増員し、精神科専
門施設1500~2000軒をフルカバーできる体制を構築し、中枢神経系領域の強化
を図る。
ロナセンは第二世代の抗精神病薬で、陽性症状のみならず、陰性症状に対する
改善効果のほか、強いドーパミン遮断作用により、幻覚・妄想などの陽性症状
に対する効果が期待される。懸念される錐体外路症状の発現率は低く、同じ第
二世代抗精神病薬リスパダールよりも体重増加や高プロラクチン血しょうなど
の副作用が少ないという。同社では「ロナセンは急性期、ルーランは維持期の
患者で展開したい」とし、マーケティング上2剤の使い分けを図る考えを示し
た。吉冨薬品とは01年に発売したルーランで共同販売活動を行うなど強固な連
携関係を構築していることから、ロナセンでも2社の連携により、同剤の市場
での早期浸透を狙う。吉冨薬品のMR数は190人で、2剤の年間ディテール数で3
0万回超を目指す。
統合失調症の治療は、急性期の患者の約70%がリスパダール(ヤンセンファー
マ)で治療を開始する一方、同剤を服用しているのは約52%といった調査結果
もある。再発・再燃を繰り返し継続治療が課題になっていることから、副作用
が少なく、急性期患者に高い効果を発揮するロナセンの特徴を生かし、こうし
た患者に対する治療薬としてのポジショニングを目指す。
統合失調症患者は人口の約0.8%に発症し、国内の統合失調症治療薬市場は約1
200億円(08年度予想)。うち約8割(約960億円)が第二世代抗精神病薬で、
残りは第一世代抗精神病薬が占める。トップを走るのがジプレキサ(薬価ベー
スで売上375億円、日本イーライリリー)、リスパダール(345億円)など。市
場の成長率は今後ほぼ横ばいだが、第二世代が伸びていく方向。