厚労省 扶桑薬品のヘパリン製剤、自主回収を指示
公開日時 2008/05/07 23:00
厚生労働省は5月2日、扶桑薬品に対し、ヘパリンナトリウム製剤の一部につ
いて自主回収を指示した。ヘパリンナトリウム注「フソー」(15万620本)、
ヘパリンNa透析用200単位/mLシリンジ20mL「フソー」(9万6300本)、ヘパ
リンNa透析用250単位/mLシリンジ20mL「フソー」(11万9610本)の計36万653
0本が対象となる。
出荷時には米FDAが公表した試験検査法により不純物はないと判断していたが、
その後改めて詳細に評価したところ原薬に不純物(高度に硫酸化されたコンド
ロイチン硫酸)が微量(0.2%)混入していたことが確認されたため。出荷後
の副作用の増加などは認められておらず、健康被害の報告も受けていないとし
ている。米国で副作用が急増した製剤の原薬は5~20%の不純物が認められた
が、今回対象となった製剤は0.2%と微量としている。
ヘパリン製剤を巡っては、昨年12月以降、米バクスター製ヘパリンナトリウム
を投与後にアレルギー反応などの副作用症例が増加。厚労省によると1月1日
から3月31日までに771症例(うち81人が死亡)が報告されているという。そ
れらを受け厚労省は4月28日付の事務連絡でメーカーに対し、原料として使用
される精製ヘパリンなどに不純物が含まれていないかをFDAが公表した方法を
参考にロットごとに検査することなどを求めている。