協和発酵 新中計を公表、腎領域でトップシェア獲得へ
公開日時 2008/05/07 23:00
協和発酵は4月30日、中期経営計画(08―10年度)説明会を開き、10月に発足
する協和発酵キリンの2011年度の売上目標5000億円を1年前倒し、10年度に51
30億円を達成する計画を示した。
医薬事業の10年度の目標数値として、売上高2250億円(07年度2082億円)、営
業利益525億円(329億円)、研究開発費470億円(463億円)を示した。MRを腎
領域に重点配置することで、腎性貧血治療薬ネスプ、エスポーの2製品で市場
シェア5割超を狙い、07年度比19%増の580億円を目指す計画。
松田譲社長は「ハードルは低くはないが、無茶な数字を積み上げているわけで
はない。手ごたえはある」と述べ、自信を示した。透析専門施設は国内に約40
00軒あるが、現在までに同社は3000軒近くの施設に納入しているという。また、
ネスプの競合品となる中外製薬の腎性貧血治療薬ミルセラ(開発中)に対して
も「負けないようにする。全力を挙げて努力している」と述べた。
一方、米国事業展開の戦略製品と位置づけていたパーキンソン病治療薬「KW-6
002」が米FDAから承認不可通知を受理したことを受けて、今後の開発の継続に
関して「治験中の日本での成績を考慮して、そう遠くないうちに最終的な判断
をする」と説明した。さらなるM&Aについては「協和発酵キリンでも世界に打
って出ていける」と否定した。