三菱ケミカルホールディングスグループは５月13日、新中期経営計画「APTSIS
10」（08―10年）を発表、10年度に売上高3.7兆円（07年度は2.9兆円）、営業
利益1900億円（1250億円）を目指すとした。うち医薬品、診断薬を中心とする
ヘルスケア分野では営業利益1000億円の到達を目標とする。中計では「機能商
品」「ヘルスケア」「化学品」を成長の中核事業と位置づけ、特に機能商品と
ヘルスケア分野に従来より手厚い投資を行うことも盛り込んだ。

APTSIS10は「成長を実現し、創造・飛躍する」企業グループを目指し、25年の
ありたい姿と15年のあるべき姿を描き、その達成に向けて基本戦略と施策を打
ち出したもの。中長期的目標として、15年度に売上高４兆円以上、営業利益40
00億円以上（ヘルスケア事業1250億円）の達成も掲げた。

３年間で設備投資・投融資5900億円、研究開発4250億円の積極投資を行う計画
で、積極的な事業拡大に向けて、アライアンス、M&Aに対し、総額2500億円を
目安に戦略的な資源投入も行う。うち、成長事業と位置づけるヘルスケア事業
には、設備投資・投融資750億円、研究開発費2490億円を投じる。

海外展開も強化する方針で、海外売上高比率を27％（07年度、約8000億円）か
ら30％（約１兆円）に引き上げる計画。ヘルスケア事業の核となる田辺三菱製
薬の海外売上高比率は現在７％。小林喜光社長は「グローバル展開が遅れてい
ることを認めつつ、着実に海外売上を増やしていく」と述べ、15年度の海外で
の医薬品売上高1000億円以上の達成に意欲を示した。