むずむず脚症候群 患者会発足へ 会員数500人を目標に
公開日時 2008/05/26 23:00
夜、脚に虫がはいずり回るようなむずむずした不快感を生じる「むずむず脚症
候群(RLS)」の患者会が6月2日に発足する。5月26日に都内で開かれた発
足記者会見で、患者会代表の良永信男氏は設立の狙いについて「200~500万人
と推定される患者にRLSを知ってもらい、睡眠障害専門医につながるようなき
かっけを作りたい」とした。
RLSの症状は、▽脚がむずむずする▽じっとしていられない不快感▽主に夕方
から夜間に発生し、睡眠障害を起こす――など。原因は解明されていないが、
特定の原因が分からない一次性(特発性)と二次性(他の疾患などが原因とな
って発症)に大別される。二次性は、▽鉄欠乏症▽腎不全(透析)▽妊娠▽末
梢神経障害――などが原因疾患。不眠などの睡眠障害や日中の疲労、疼痛、気
分変動、抑うつなど多彩な症状が現れるのが特徴。有病率は年齢が高くなるほ
ど増加するが、2~3割は小児・青年期に発症する。女性が多い。患者の4~
9割は家系内にRLS患者がいるという。
会見で講演した阪南病院の黒田健治院長によると、治療法は非薬物療法(基礎
疾患の治療、鉄の補充など)と薬物療法があり、国内では薬物療法で主に抗て
んかん薬のクロナゼパムが使われている。欧米では第一選択薬はドパミン作動
薬だが、国内では承認された薬剤はなく、現在プラミペキソール(日本BI)や
ロピニロール(GSK)、ロチゴチン(大塚製薬)の開発が進行中。黒田氏は「
現状ではクロナゼパムを使う医師が多いが、ドパミン作動薬を使うと効果が高
いことを実感する」と述べ、ドパミン作動薬が上市後に第一選択薬になるとの
期待を示した。
患者会の名称は「むずむず脚症候群 友の会」で、大阪府高槻市に事務所を置
く。1~2年で500人の会員を集めるのが目標。26日付でウェブサイト(http:
//www.muzumuzu.org)を立ち上げた。連絡先は、TEL/FAX:072-646-6226まで。