医薬品第二部会 サリドマイド、安全対策の適正実施を前提に承認を了承
公開日時 2008/08/27 23:00
厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は8月27日、藤本製薬の再発または難治
性の多発性骨髄腫治療薬サレドカプセル(一般名:サリドマイド)について審
議。26日に初回会合を開いた「サリドマイド被害の再発防止のための安全管理
に関する検討会」と「医薬品等安全対策部会」でそれぞれ安全方策について検
討し、適正に実施されることを前提に、承認を了承した。
サリドマイドを巡っては、藤本製薬が作成した安全管理基準書についてパグリ
ックコメントを募集している。医薬品第二部会の審議結果についても資料概要
と審査報告書とともに公表し、9月11日まで異例の意見募集を行う。審議結果
に対してパブリックコメントを行うのは、98年12月に行った経口避妊薬以来10
年ぶりという。審査管理課によると、両会合の検討結果とパブリックコメント
の結果などを併せて、第二部会の上部組織である薬事分科会で再度審議する予
定。
部会では同剤の承認条件について、▽安全管理方策の適切な実施▽文書による
患者等への説明・同意の取得▽全症例を対象とした使用成績調査及び製造販売
後臨床試験による安全性及び有効性に関するデータの収集――の3つを挙げた。
多発性骨髄腫の患者数は1万4000人程度で、新規患者数は年間約3000人。国内
での治験は37例であることから、市販後臨床試験などを義務付けたとしている。
日本製薬の献血グロベニン-I-ニチヤク(乾燥ポリエチレングリコール処理
人免疫グロブリン)の承認については了承。同剤は天疱瘡(ステロイド剤の効
果不十分な場合)を適応としている。患者数は約3000人としているが、希少疾
病用医薬品には指定されていない。