中医協・薬価専門部会 薬価制度改革で市場拡大再算定の議論を開始
公開日時 2009/02/18 23:00
中医協・薬価専門部会は2月18日、10年度薬価制度改革での引き続きの検討事
項とされていた市場拡大再算定について議論をスタートさせた。厚生労働省が
同ルールの在り方についての論点を提示、今後議論を詰めていく。薬価制度改
革全般については、市場拡大再算定や長期収載品の特例引き下げなど、個別テ
ーマで議論を深め最終的に新薬価制度を含めた全体像を検討する方針としてい
る。
市場拡大再算定は、薬価算定時に原価計算方式で算定された品目や、効能追加
し使用実態が著しく変化した品目で、売上高が当初予想の2倍かつ150億円以
上となったときに対象となる。08年4月の薬価改定では、ARBやSSRIなど11成
分が対象になったが、ルールについては10年度の薬価制度改革で検討する「宿
題事項」となっていた。
厚労省が提示した論点は▽市場拡大再算定がイノベーションの阻害になってい
ること▽効能追加の有無に係わらず、市場規模が新薬として算定されたときの
予測販売額より大きく伸びた場合をもって使用実態の著しい変化があったとす
ること―など5項目。
長野明専門委員は、使用実態の著しい変化について、「いい薬と評価を受けて
患者さんに使われているような医薬品もがあるが、業界内にそのようなケース
であっても再算定の対象になっているものがあるのではないか、という疑心暗
鬼がある」と指摘。今後は特許期間中の価格の在り方にも係わることから、
「使用実態の著しい変化」の位置づけを明確にするような議論を求めた。