中医協・DPC評価分科会 機能評価係数に後発品、肯定的意見が相次ぐ
公開日時 2009/03/05 23:00
中医協のDPC評価分科会は3月5日の会合で、DPC対象病院の新たな機能評価係
数として提案されている「後発品の使用状況による評価」について肯定的な意
見が相次いだ。分科会では調整係数を廃止し、新たな機能評価係数を導入する
ための検討を進めている。
佐藤博委員(新潟大学教授・医歯学総合病院薬剤部長)は、後発品には先発品
にない便利さなど品質も向上しており、医療の質も高まると強調。後発品に置
き換わることで1兆円の経済効果もあるとされており、係数に導入することで
目標のシェア30%に弾みがつくとした。
小山信彌委員(東邦大学医療センター大森病院心臓血管外科部長)も「ある程
度普及したら消える係数だと思う」としつつも、後発品の採用は医療機関側で
品目の選定やチェックなどの努力が伴うことから導入に意欲的な姿勢を示した。
一方、新しい機能評価係数の評価手法を検討するための厚労省研究班を率いる
松田晋哉委員(産業医科大学医学部公衆衛生学教授)は、使用状況を調整係数
に盛り込むことで、外来のみ先発品で入院を後発品にするなどの動きも懸念さ
れることから「(外来分も盛り込むなど)どの範囲の後発品を対象にするかが
問題」と指摘。地域連携パスや登録医数のほか後発品の使用率をデータとして
公開することを係数にすれば施設間競争が起こり後発品の促進に繋がるのでは
ないかとの見解を示した。ただ委員からは、包括払いで先発品を使っているこ
とを売りにして患者集めをする悪いケースが出るといった懸念する声も上がっ
た。