アステラス製薬が株式公開買い付け（TOB）を進めている米CVセラピューティ
クス社が３月12日（現地時間）、米国のバイオ企業であるギリアド・サイエン
シズ社による買収で合意したと発表した。ギリアド社も同日発表した。買収額
は14億ドルに上る。ホワイトナイツ（友好的買収・合併する会社）の登場で、
アステラスは対応を迫られる形となった。

同日CV社は、株主に対しアステラスの提案は最善ではないとしてTOBに応じな
いよう求める声明も発表。アステラスは13日19時30分現在、本紙に「CVセラ
ピューティクス社の公表内容について対応を検討している。何も決まってい
ない」とコメントした。

アステラスは今週中にも見解を発表するとみられる。同社の提案の１株16ドル
に対し、CVとギリアド両社は１株20ドルで合意しており、アステラスは自社の
株主利益やCV社の企業価値を踏まえて買収費用を積み増すのかどうかが焦点と
なる。