先週末の神戸、大阪での新型インフルエンザの発生で週明けの製薬企業は、関
西地域で感染拡大の原因にならないためにMR活動など外勤の自粛や、発生地域
からの出張（その逆も）自粛などの対策を取り始めた。また、神戸や大阪で開
催予定の学会年会の中止も相次いだ。

国内出張の自粛措置をとらない企業がある一方で、発生地域への出張、同地域
からの出張も自粛するのはエーザイ。日本イーライリリーは、発生地域からの
出張は延期、武田薬品、第一三共は、国内でも不要不急の出張は延期する。田
辺三菱製薬は、各部署で必要性に応じて出張を絞り込んでいるという。

外勤に制限をかけるところも出始め、大日本住友製薬は、関西事業部管轄下
（大阪、兵庫、京都、奈良、滋賀、和歌山）で活動するMRの外勤は今週中自粛
する。エーザイは兵庫県、大阪府の事業所では内勤を推奨。日本ベーリンガー
インゲルハイムも、兵庫県、大阪府に居住・得意先がある社員は自宅かオフィ
スでの内勤とし、外勤は特に要請があった場合に行うとした。

神戸市に本社があるイーライリリーは、社員（同居家族含む）には出社前の検
温を求めたほか、本社への来訪者には18日から、これまでの体調などを聞くチ
ェックシートへの記入に加え、耳式体温計による検温の協力を求めることにな
った。

国内発生を受け学会の中止も相次いでいる。日本精神神経学会学術総会は５月
22～24日に神戸市内で開催予定だったが、同学会が17日に中止を発表。同じく
22～24日に神戸市内で開催予定だった日本麻酔科学会学術集会は延期となり、
同学会は18日、８月16～18日に行うと発表した。

一方、日本糖尿病学会年次学術集会は予定どおり21～24日に大阪市内で開催す
る。同学会はホームページで「体調に不安のある方は参加を自粛して下さい」
と呼びかけている。６月４～５日に神戸市内で開催予定の日本肝臓学会総会は
18日、ホームページで「現状、予定通り開催する方針」とし、「今後、急遽総
会が中止となりましたら、ホームページで掲示させていただきます」としてい
る。