日本製薬工業協会の庄田隆会長（第一三共社長）は５月25日、東京都内で記者
会見し、６月３日に中医協薬価専門部会で予定されている日薬連提案の新薬価
制度に関する業界ヒアリングに対する姿勢を示した。その中で日薬連の竹中会
長、製薬協の長谷川副会長との役割分担については「今は分からない」とした
上で、業界としては「薬価維持特例の対象となる医薬品について業界として、
どう想定しているかの質問があると予想している」と述べた。

また、特許期間中の薬価維持特例の導入に必須の後発品の使用促進策で、後発
品の薬価のあり方について言及するかとの記者の質問に対し「後発品の薬価算
定がどうあるべきかは、日薬連の中には日本ジェネリック製薬協会も入ってお
り、一緒になって中医協の中で議論していくことになろう。日薬連としてまと
めていただく事項だと思う」と答え、製薬協として言及する予定がないことを
明らかにした。

さらに、流通改善状況に対する見方について問われ「未妥結仮納入、総価取引、
売差マイナスの改善はバランスよく進められるべきであり、片方を損ねて、片
方を進めるべきではなかったと思う」と指摘。薬価維持特例の導入論議にあた
っては、個々の製品の単価把握が必要になるため「総価取引の改善が大変重要」
との認識を示した。

薬価改定から２年目の年に入り、卸に対しさらなる価格下落がしないような取
り組みを求めるとともに、「メーカーと卸との取引でも、我々はきっちりと仕
切価を提示し、アローアンスや割戻しも基準を決めて取り引きしてきているよ
うに、後出しジャンケンのようにならないようにしたい」と話した。