【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

厚労省 新有効成分8製品を承認 CSU治療薬ラプシド ITP治療薬ウェイリズ BTK阻害薬が免疫疾患へ

公開日時 2026/06/22 04:50
厚生労働省は6月19日、新有効成分含有医薬品8製品を承認した。この中には、経口BTK阻害薬として、ノバルティス ファーマの慢性特発性蕁麻疹(CSU)を対象とするラプシド錠や、サノフィの免疫性血小板減少症(ITP)を対象とするウェイリズ錠がある。既存のBTK阻害薬は主に血液がんに使用されていたが、今回、CSUやITPといった免疫疾患領域に広がってきた。

このほかの承認品目には、アストラゼネカのESR1遺伝子変異乳がんに対する経口選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)・エトカマ錠やMSDの新生児および乳児向けRSウイルス感染症発症抑制・予防抗体薬・エヌフロンシア筋注などが含まれる。

6月19日付で承認された適応追加等22製品の記事はこちら

承認された新有効成分含有医薬品は次の通り(カッコ内は一般名、製造販売元)。薬効分類及び投与経路順に記載。

ブメリティカプセル231mg(ジロキシメルフマラート、バイオジェン・ジャパン):「再発寛解型多発性硬化症の再発予防及び身体的障害の進行抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類119。

新規経口フマル酸塩製剤。用法・用量は「通常、成人には1回231mg1日2回から投与を開始し、1週間後に1回462mg1日2回に増量する」。

バイオジェンは経口フマル酸塩製剤としてテクフィデラ(フマル酸ジメチル)を販売しており、それに続く。多発性硬化症(MS)は臨床経過に基づき、急性増悪(再発)と寛解を繰り返す再発寛解型(RRMS)、RRMSの経過をたどった後に再発の有無にかかわらず身体的障害が進行する二次性進行型(SPMS)、発症時から再発を伴わずに身体的障害が進行する一次性進行型(PPMS)の3病型に分類される。MS患者の約85%はRRMSから発症する。

ウェイリズ錠400mg(リルザブルチニブ、サノフィ):「持続性及び慢性免疫性血小板減少症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類399。

経口BTK阻害薬。多面的な免疫調節を介して免疫性血小板減少症(ITP)の病態に働きかけることを目指して開発された。ITP治療で初のBTK阻害薬となる。用法・用量は「通常、成人には1回400mgを1日2回、経口投与する」。

ITPは、後天性に血小板に対する自己抗体ができることで免疫的な機序によって血小板数が減少し、出血が起こりやすくなる疾患であり、国内で年間10万人あたり2.16人が新規に発症すると推計されているという。現在、国内ではITPに対して副腎皮質ステロイドが第一選択とされ、二次治療以降にトロンボポエチン(TPO)受容体作動薬(エルトロンボパグ、ロミプレート、ドプテレット)やリツキシマブ、脾臓チロシンキナーゼ阻害薬・タバリス、抗FcRn抗体・ウィフガートなどが使用されている。

エトカマ錠75mg(カミゼストラント、アストラゼネカ):「内分泌療法中にESR1遺伝子変異が確認され疾患進行が認められないホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類429。

経口投与の選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)。既承認(薬価未収載)の経口SERDであるイムルリオは、「内分泌療法後に増悪した」場合に投与するのに対し、エトカマは「内分泌療法中」に病勢進行前に切り替え投与する点で異なる。

エトカマの用法・用量は「CDK4/6阻害剤との併用において、通常、成人には75mgを1日1回経口投与する」。イムルリオは単剤療法での承認となっている。

承認の根拠となった第3相SERENA-6試験では、循環腫瘍DNA(ctDNA)によって内分泌療法抵抗性の出現を検出し、病勢進行前に治療の切り替えを実施するアプローチが採用された。

イソトレックスカプセル8mg、同カプセル16mg(イソトレチノイン、サンファーマ):「大量化学療法後の神経芽腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類429。

ビタミンA類似薬。神経芽腫の推定患者数は約500人。小児が主な患者となることから、疼痛等の副作用が少ない治療が望まれている。

イソトレックスの用法・用量は、「1日2回、14日間連日経口投与し、その後14日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す」。

海外では26年2月時点で、大量化学療法後の神経芽腫に係る効能・効果にて承認されている国又は地域はない。

ラプシド錠25mg(レミブルチニブ、ノバルティスファーマ):「特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な患者に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類449。

経口ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬。BTKを標的とすることでヒスタミンやその他の炎症性メディエーターの放出を抑制し、特発性の慢性蕁麻疹(CSU)治療に対する独自のアプローチとなる。用法・用量は「通常、成人には1回25mgを1日2回経口投与する」。

国内では、第2世代の抗ヒスタミン薬で効果不十分なCSUに対し、抗IgE抗体・ゾレアや抗IL-4/13受容体抗体・デュピクセントが承認されている。これらが注射剤なのに対し、ラプシドは経口薬となる。

キネレット皮下注100mgシリンジ(アナキンラ(遺伝子組換え)、Swedish Orphan Biovitrum Japan):「全身型若年性特発性関節炎、成人発症スチル病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は12年(小児開発により2年延長)。薬効分類399。

インターロイキン-1(IL-1)阻害剤。対象疾患とする全身型若年性特発性関節炎(sJIA)及び成人発症スチル病(AOSD)は、発熱、関節症状及び皮疹を主症状とする全身性炎症性疾患。発症年齢が異なるものの、同一の病態を有する。

グルココルチコイドで効果不十分な場合には、抗IL-6受容体抗体・アクテムラや、抗IL-1β抗体・イラリスが使用可能だが、早期に使用できる生物学的製剤のアンメット・メディカル・ニーズがあり、それに対応する。

用法・用量は、成人及び生後8カ月以上かつ体重10kg以上の小児に対して、体重に応じて設定されている。

エヌフロンシア筋注シリンジ105mg(クレスロビマブ(遺伝子組換え)、MSD):「1.生後初回のRSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)感染流行期の重篤なRSウイルス感染症のリスクを有する新生児及び乳児における、RSウイルス感染による下気道疾患の発症抑制。2.生後初回のRSウイルス感染流行期の1.以外のすべての新生児及び乳児におけるRSウイルス感染による下気道疾患の予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類625。

抗RSウイルス抗体。国内では、新生児および乳幼児向けRSウイルス感染症発症抑制・予防抗体薬としてベイフォータスやシナジスがある。

エヌフロンシアの用法・用量は「生後初回のRSウイルス感染流行期に、通常、105mgを1回、筋肉内注射する」。エヌフロンシアは「生後初回」に限定されているのに対し、ベイフォータスは「生後2回目」を含んでいる点が異なる。

ロープレッサ点眼液0.02%(ネタルスジルメシル酸塩、参天製薬):「次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類131。

Rhoキナーゼ(ROCK)阻害薬。効能・効果は既存のROCK阻害薬・グラナテックと同様となっており、緑内障、高眼圧症に対する第2選択薬の位置付け。用法・用量は、グラナテックの「1回1滴、1日2回点眼する」に対し、「1回1滴、1日1回点眼する」。

緑内障、高眼圧症の第1選択薬としては、FP受容体作動薬、EP2受容体作動薬、β受容体遮断薬などが使用されている。参天製薬は25年8月にFP受容体/EP3受容体作動薬・セタネオの承認を取得し、発売している。

6月19日付で承認された適応追加等22製品の記事はこちら
プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(2)

1 2 3 4 5
悪い 良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事
【MixOnline】関連(推奨)記事
【MixOnline】関連(推奨)記事
ボタン追加
【MixOnline】記事ログ
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー