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武田薬品 ジュリー・キム氏が社長に就任 3候補化合物の上市に注力「次の成長の時代へ力強く導く」

公開日時 2026/06/25 04:51
武田薬品は6月24日、ジュリー・キム氏が代表取締役社長CEOに就任したと発表した。同日開かれた定時株主総会での株主からの承認を経て、取締役会からの選定を受けた。キム社長は株主総会で、「タケダの未来には大きな可能性がある。患者さんへの価値を届けるため、次の成長の時代へと力強く導く」と表明した。今後12か月で3つの主要な新製品の上市を成功させ、新たな成長に向けた基盤構築に注力する姿勢を表明。あわせて、AIやデジタルを活用して生産性向上に注力する考えも示した。一方で、タケダイズムに代表される「我々の価値観、これは245年前から変わっていない」ことも強調した。

◎今後1年以内の3治療薬候補の上市に向けて加速 成長エンジン構築へ

キム新社長は、「本日、皆様のご支援のもと、タケダの社長兼CEOに就任させていただくことを大変光栄に思う」と流暢な日本語で挨拶。「日本語の勉強を続けている」と明かしてからプレゼンテーションに入った。

2つの戦略的な成長段階に基づく成長戦略を描いた。最初の段階は成長に向けた変革を行う時期(Horizon1)として、今後1年以内にオベポレクストン、rusfertide、ザソシチニブの3治療薬候補の上市を見込み、「薬事承認を受ける前提で加速化させる」と述べた。これらの上市を単なるマイルストーンとしてではなく、同社の成長を支える収益基盤を形作り、今後のイノベーションに向けた成長エンジンとの見方を示し、全力を傾ける考えを示した。特に、湘南研究所で創薬されたナルコレプシータイプ1治療薬候補のオベポレクストンについては、「米国、日本、中国でほぼ同時に上市できること、そして他の世界各地域で展開できることに大変大きな期待を持っている」と意欲をみせた。さらに5つの後期開発品をはじめ、革新的で強固なパイプラインも着実に進展させる考えも示した。また、売上の60%を占める既存の主力製品の収益基盤として安定性を確保する考えも示した。

AIやテクノロジーの活用にも意欲をみせた。研究開発では、創薬におけるターゲット特定を従来の約6か月から2週間に短縮できることを説明。製造品質では手作業で数日間かかる文書処理がAIエージェントの活用により数分間に短縮でき、従業員は監督業務に集中できるなど、働き方を変え、生産性を向上させることにも意欲をみせた。

その後は、成長の加速時期(Horizon2)に入ることを見込む。後期開発品5化合物の上市を視野に入れる。キム社長は、「私たちは、2つの戦略的な成長段階に基づく成長戦略を通じ、患者さん、従業員および株主の皆さまに、持続的な価値を創出する」と強調した。

◎「我々の価値観は245年前から変わっていない」 タケダイズムの維持「約束する」

企業理念については、「我々のパーパス、ビジョン、全く変わっていない。我々の価値観は245年前から変わっていない」と強調。「タケダイズムとして、これから先も将来に向けてこれを維持していくということをお約束する」と話した。「人にフォーカスを当て、人の育成、そしてウェルビーイングに投資を続け、会社で仕事をし、患者さんのニーズに対応できるようにする」との考えも示した。

キム社長は、「我々が患者さんに1日も早く治療薬を届けることが、患者さんのための価値を創出し、世界の人々の健康と輝しい未来に貢献できるものだと思っている 私は、患者さん、従業員、そして株主の皆様に対し、誠実に貢献する」と話した。

また、「タケダは、常に日本の企業だ。大阪で1781年に創業した日本での伝統はなくならない」と強調。「グローバルな企業として、グローバルにフォーカスはしていくが、ルーツは日本に引き続きある」とも話した。

◎ウェバー前CEO退任「将来に向かって良いポジションを取れた

前代表取締役社長CEOのクリストフ・ウェバー氏は株主総会を終え、退任した。ウェバー氏は株主総会で、自身がCEOを務めた12年間を振り返り、9つの新規革新的な医薬品候補を生み出したことを強調。そのために、「非常に勇気を出して研究開発のトランスフォーメーションを実施した」と述べた。また、「シャイアーの買収があり、そしてグローバル化の加速があり、研究開発コストを3倍に増やすだけのスケールを生み出すことができた。これこそが会社の将来につながる」と強調した。

今後10年間は、「AIとテクノロジー」と「中国」の「2つのトレンドが業界を変える」との見通しを表明。AIやテクノロジーの活用を通じ、“テクノロジードリブン”なバイオ製薬企業になることが重要との考えを示した。これにより、「この業界の勝ち組、負け組もそこで決まってくると思う。当然、タケダは勝ち組になっていく」と語った。中国企業・Innovent Biologicsのパートナーシップに触れ、「タケダはうまくポジションを取っていると思う。中国のバイオテック企業に対し、パートナーシップが組めるというシグナルになっていると思う」と自信を見せた。

ウェバー氏は、「今の状況に非常に誇りに思っている。全てが完璧にできたわけではない 。後退した時もあった。しかし、将来に向かって良いポジションを取れた」と振り返った。
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