骨太09閣議決定 与謝野大臣「社会保障自然増は借金してでも手当て」
公開日時 2009/06/23 23:00
政府の経済財政方針を示す「骨太の方針2009」が6月23日、閣議決定された。
焦点の1つの社会保障関係予算の自然増2200億円の削減方針は盛り込まず、
「安心・安全を確保するために社会保障の必要な修復をする」と、社会保障を
機能強化する方向で来年度予算を編成する方針を示した。麻生太郎首相は、こ
の方針に基づき概算要求基準を来週中にまとめるよう与謝野馨財務相に指示し
た。
骨太では、日本が社会と経済の危機にあるとして「最優先課題」に、経済危機
克服とともに「安心社会実現」をかかげた。その中で「社会保障の機能強化に
ついて、効率化を図りつつも、緊急措置として前倒し『先行実施』を図る」と
した。
その中では、10年度予定の診療報酬改定では「『選択と集中』の考え方に基づ
き、診療報酬の配分の見直しを行うとともに、救急、産科等の体制強化などの
方策を検討する」「地域間、診療科間、病院・診療所間の医師の偏在を是正す
るための効率的な方策及び医師等人材確保対策を講ずる」ことなどを示した。
09年度一次補正予算で手当てした未承認薬や革新的医薬品などの開発支援、審
査の迅速化も「着実に実行に移す」とした。そのほか「高額療養費制度等につ
いて、患者負担の現状や医療保険財政の状況等を踏まえつつ、その在り方を
検討する」との方針も盛り込まれた。
与謝野経済財政担当相(財務相兼務)は閣議後に会見し、骨太2006に基づく歳
出改革は引き続き行うことを強調しつつも、「医療や介護の現場の声は聞かざ
るを得ないのは政治の現実」と述べ、社会保障関連予算の自然増を認める考え
を示した。財源について問われ「社会保障分野に限り、自然増分はたとえ借金
であってもやらざるを得ない」と語った。