子どものうつも見逃せない問題になりつつある中で、中高生にもうつ病の基本
的知識や対処法を学校の授業で学べるようにしようと、教員が保健体育などの
授業で活用できる映像や資料をまとめた教材が、東京学芸大学と日本イーライ
リリーにより開発された。７月９日から希望する教育関係者に対し無料提供が
始まった。

開発に先立って東京、埼玉、千葉の公立中学校を対象に行った調査では、回答
のあった163校の98.7％で「心の健康状態に何らかの問題を持つ生徒」がおり、
うつ病の生徒がいる学校は37.3％に上った。しかし、保健体育などで「こころ
の病気」に関する授業を行っているのは約３割で、薬物依存が中心で、うつ病
は取り上げる必要性を認識しながらも、教員からは必要な知識や情報がないと
して、教材の開発を望む声があった。それを受け開発となった。

入手希望者は日本イーライリリーのウェブサイトから申し込む。この取り組み
は同社の社会貢献活動の一環の「こころの病気を学ぶ授業プログラム」による
もので、第１弾は統合失調症を取り上げ、今回は第２弾にあたる。