J&Jとエラン アルツハイマー病領域で提携
公開日時 2009/07/22 04:30
エランは、アルツハイマー病治療薬bapineuzumabを中心としたアルツハイマー免疫プログラム(AIP)をジョンソン・エンド・ジョンソンに売却することに合意した。
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、エランの株式のうち18.4%を10億ドルで取得し、資本参加する。経営的に苦境に立っていたエランは、今回の合意で解決策を見出した。
ジョンソン・エンド・ジョンソンはbapineuzumabに関する権利・資産を獲得。同剤の開発・商業化のために最大5億ドルを出資し、開発を続ける。 このための新会社を設立。エランは49.9%の株式を受け取る。エランはAPIについてはワイスと提携していたが、ジョンソン・エンド・ジョンソンがそれを承継する。
今回の提携では、両社ともリスクヘッジを持つ。エランは、新会社の株式を保有することで売上を保有株式の割合で獲得でき、別途、ロイヤルティも受け取れる。ジョンソン・エンド・ジョンソンはbapineuzumabが失敗しても、アルツハイマー領域のプレゼンス強化が図れる。
既存のアルツハイマー病の治療薬は症状を緩和させる作用しかなかったことから、bapineuzumabは、アルツハイマー病を治癒するためパラダイムシフトになると期待されている。
同剤は、静注製剤と皮下投与製剤を開発中。静注製剤は、3ヶ月に1回投与型で、現在臨床第3相試験(P3)を実施中。最初の試験データを来年公表し、2011年に申請する予定という。
皮下投与製剤は、週1回投与するもので、現在臨床第2相試験(P2)段階にあるという。
(The Pink Sheet 7月6日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから