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抗EGFR抗体パニツムマブ  KRAS変異のない患者で優れた効果

公開日時 2009/09/22 23:00
進行性大腸がん(mCRC)治療薬で完全ヒト抗EGFR抗体パニツムマブ(製品名:VECTIBIX)のセカンドラインの有効性を検証したフェーズ3試験の結果が22日、ドイツ・ベルリンで開催中の第34回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)・第15回欧州癌学会(ECCO)で発表された。同試験は、グローバルで実施した多施設共同試験で、腫瘍のKRAS遺伝子に変異のない野生型の患者で無増悪生存期間(PFS)が優位に向上することが分かった。なお、KRAS遺伝子の変異がある患者では、PFSも全生存期間(OS)の延長も認められなかった。(22日ドイツ・ベルリン発 小沼紀子)

同試験はパニツムマブをmCRC患者1186人に対し、セカンドラインとしてFOLFIRI療法を併用した群と、FOLFIRL単独療法群で効果を比較したもの。無増悪生存期間(PFS)の中央値をみると、併用群5.9カ月に対し、単独群は3.9カ月で、パニツムマブを上乗せした群で2カ月間延長させた。奏効率をみても、FOLFIRI10%に対し、併用群は35%で、パニツムマブを併用すると3倍も優れた結果が得られることも明らかとなった。一方、全生存期間(OS)の中央値はパニツムマブ併用群では統計的有意性は示せなかった。
 
FOLFIRIとの併用療法が疾患の進行を遅らせる
 
この試験はパニツムマブが化学療法(FOLFIRI)との併用で安全に投与可能であることを示すとともに、パニツムマブのFOLFIRIとの併用療法がFORFIRI単独療法に比べて、疾患の進行を遅らせることを示すものとして注目される。また、試験に参加した患者の91%でKRAS遺伝子の状態が確認されたうえで実施されており、これまで報告されたセカンドラインの試験のなかで最も数の多い試験としても画期的だ。
mCRCの患者では4~5割がKRAS変異があるといわれていることから、遺伝子変異の有無が同剤の有効性を左右するバイオマーカーとして期待される。 一方、有害事象に関しては、パニツムマブに関連するグレード3/4の注射部位反応は1%以下の患者でのみ報告された。
 
◎日本では6月に承認申請
 
パニツムマブは日本国内では武田薬品の子会社の武田バイオ開発センターが6月に承認申請している。武田薬品の8月末の発表では、KRAS遺伝子の変異のない患者で、標準的なFOLFIRI療法(アイソボリン+5-FU+イリノテカン)に比べ、パニツムマブを併用した群でPFSを有意に延長したことが報告されていた。ただ、試験データの詳細はこの時点で発表しておらず、結果の報告が注目されていた。
 
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