中外製薬は10月７日、2009年１～12月の通期業績予想を上方修正したと発表した。新型インフルエンザの流行で、抗インフルエンザウイルス薬「タミフル」の売上高を当初予想より119億円上積みしたことが主な要因。また、抗がん剤「アバスチン」や同「ハーセプチン」もそれぞれ46億円、25億円――上方修正した。08年秋に全例調査結果を公表したアバスチンは当初予想以上に市場浸透し、ハーセプチンは08年２月の乳がん術後補助化学療法の追加適応取得が売上増の主要因となっている。

修正後の主要製品売上高予想で増加額の最も大きかったものは、タミフルの649億円（前回予想=以下同、530億円）で、次いでアバスチン336億円（同290億円）、ハーセプチン300億円（同275億円）となった。一方、減少額が最も大きかったのは制吐剤「カイトリル」の93億円（同103億円）。

〔連結業績予想（前回予想）08年12月期実績〕
売上高4200億円（4000億円）3269億3700万円
営業利益670億円（630億円）515億6300万円
経常利益740億円（635億円）572億6500万円
純利益460億円（400億円）392億6400万円