ワクチンの感染リスクには高精度試験が必要 コスト増に懸念の声
公開日時 2010/06/21 04:00
米FDAは、ブタ・サーコウイルスの混入が発見され、一時使用停止を推奨していたロタウイルス・ワクチン、メルクのRotaTeqとグラクソスミスクラインのRotarixについて、同ウイルスがヒトの健康被害の原因とはならないとの理由で使用の再開を決めた。
この問題は、外来異物(細菌、ウイルスなど)の新規検出技術の精度が向上、従来検出不可能だったものまで検出できる実態を浮き彫りにしたが、一方で、その存在が判明してもリスクまでは分からず、ワクチンメーカーを悩ませるタネともなっている。この解決するには、もっと検査法の精度を向上させる必要があると指摘する専門家が存在する一方、それではワクチンの研究・開発コストは膨らむばかりとの指摘もある。
ノバルティス・ワクチンのTheodore Tsai上級副社長は、「試験(検査)法のバリデーションが高度になり、それがメーカーにとっての負担ばかりでなく、FDAも同等の能力を持たなければならないか、すくなくとも同等の能力を持つ第3者研究機関と委託契約を結ばなければならない」と述べ、関係者の負担増を懸念している。
(The Pink Sheet 5月17日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから