学会が開発要望の白血病治療剤 大原薬品が開発・販売権取得
公開日時 2010/07/09 04:00
国内未承認であるため日本小児血液学会などから開発要望が厚生労働省に上がっていた白血病治療剤エルウェナーゼ(一般名:エルウィニアL-アスパラキナーゼ)について、大原薬品は、英国と米国に本社を置くユーサファーマから日本での開発件と販売権を取得したと発表した。まだ同省有識者会議が医療上の必要性について検討中だが、大原は同省からの開発要請に応じて開発を行う。ユーサ社も開発業務を支援する。
同剤は他の抗がん剤と併用して急性リンパ性白血病などに用いられている。日本では、大腸菌アスパラキナーゼを、併用する抗がん剤の効果を増強し、副作用を減らす薬剤として用いられてきたが、しばしばアレルギー反応のために治療を中止するケースがあったという。これに対し、同剤は、大腸菌アスパラキナーゼと交差耐性を持たないために、代替薬として60ヵ国以上で使用されているという。日本には承認がないため、日本小児血液学会、日本小児がん学会が厚労省に開発を要望していた。
大原誠司社長は、「大原薬品の抗がん剤及びオーファンドラッグの成長ポートフォリオにぴったり合う製品です。我々はCSR活動の一環として厚労省並びに専門医師と共に、本療法を日本の白血病患者さんに使えるようにしたいと考えています」とのコメントを発表資料に寄せた。