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ペイン情報センターが発足 非がん性の慢性疼痛の情報を発信

公開日時 2010/12/17 04:00

慢性疼痛の早期治療や適切な治療につなげることを目的に、「ペイン情報センター」(Pain Information Centre:略称PIC)が12月15日に発足した。痛みの専門医が構成メンバーで、代表世話人はJR東京総合病院の花岡一雄院長、副代表世話人は駿河台日本大学病院の小川節郎院長が務める。先ずはウェブサイト(http://www.picnet.jp)で患者や家族向けに慢性疼痛の解説や治療法などを紹介し、数か月内に機関誌の発行や患者・家族向けセミナーなどを開催する。痛みを我慢しがちな日本人気質もあるが、早期治療するほど痛みがコントロールしやすいことの情報を発信し、医師に痛みを訴える重要性を啓発していく。

慢性疼痛に悩む日本人は約2000万人とされ、「すでに国民的な病」(花岡院長)となっている。一方で、慢性疼痛が軽減しないと悩む患者は少なくなく、例えば腰痛に悩む患者の約8割が痛みをコントロールできていないと感じているとのデータもある。「痛みは一生付き合っていくもの」と諦める患者も多い。この背景には、▽患者の慢性疼痛に関する情報不足▽適切な慢性疼痛治療に関する医師の知識不足――といった課題があるとされる。

◎医師も「痛み」を問いかける習慣を

花岡氏は同日の設立会見で、「がん性疼痛に関する情報はある程度行き届くようになったが、その他の慢性疼痛については情報が少ない」と指摘。その上で、「PICでは困っている患者さんに正しい情報を発信し、患者さんと医療者とのグッドコミュニケーションにつなげたい」と話した。医師の慢性疼痛に関する知識や意識の向上では、「学会が中心となって取り組んでもらいたい」としたが、脈拍、血圧、呼吸、体温に続く5番目のバイタルサインに「痛み」を位置づけ、医師が患者に痛みの有無を問いかける習慣作りに取り組む姿勢も見せた。

会見に同席した小川氏は、「痛みの機序によって治療法が全く違うことを、医療者も患者さんも、もっと認識しなければ慢性疼痛の治療はうまくいかない」とし、「痛みや、その治療法に関するより多くの情報が必要だ」と強調した。なお、PICでは医療者向け最新治療情報ページの開設も計画している。小川氏はPICの自発的な活動に賛同してもらえる疼痛薬を手掛ける製薬企業に、情報提供などをお願いしたい考えも示した。

PIC主要メンバー(敬称略)
代表世話人:花岡一雄(JR東京総合病院院長) 副代表世話人:小川節郎(駿河台日本大学病院院長) 世話人:増田豊(昭和大学薬学部治療ニーズ探索学教室教授)▽有田英子(日本大学医学部麻酔科臨床教授・JR東京総合病院麻酔科・痛みセンター嘱託部長)▽佐伯茂(日本大学医学部麻酔科学系麻酔科学分野診療教授)▽関山裕詩(東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター外来医長)
事務局:ジャパン・カウンセラーズ
 

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