国内後期開発品555品目を分析、抗がん剤が最多で全体の3割に 本誌調査
公開日時 2011/06/30 04:02
本誌が製薬企業63社(内資42社、外資21社)の後期開発品555プロジェクトを調査、分析したところ、疾患別トップはがんで、全体の3割を占めていることが分かった。そのうち、開発中の分子標的薬が9がん腫で6割を超えるなど、開発が加速していることを裏づける結果となった。詳細はMONTHLYミクス7月号(7月1日発売)に掲載する。後期開発品リスト(疾患領域別=47疾患に分類、企業別=63社別)は7月1日にミクスonlineに掲載する。
後期開発品555プロジェクトのうち、がん領域は156プロジェクトで、申請中の品目数も23と全疾患でトップ。開発企業をみると、品目数のトップ4位は外資勢で占められ、首位がアストラゼネカの20プロジェクトで、それにファイザー(15)、中外製薬(14)、グラクソ・スミスクライン(13)、大鵬薬品(12)が続いた。これらの企業のがん領域への開発注力度をみると、中外製薬は後期開発品(22プロジェクト)の64%、アストラゼネカ(38)の52%で、国内でともにがん領域に強みを有する両社が、今後も市場でのポジションを強化していくことが予想される。
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がんの開発品目数 上位5位の企業 |
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企業名 |
抗がん剤 |
後期開発品目数 |
1 |
アストラゼネカ |
20 |
38 |
2 |
ファイザー |
15 |
42 |
3 |
中外製薬 |
14 |
22 |
4 |
グラクソ・スミスクライン |
13 |
34 |
5 |
大鵬薬品工業 |
12 |
15 |
抗がん剤開発で急速に存在感増すGSK
急速に開発品数を拡充し、存在感を増しているのがグラクソ・スミスクライン。09年に乳がん治療薬タイケルブでオンコロジー市場に本格参入し、腎細胞がんでファーストライン治療薬として期待されるパゾパニブ(フェーズ3)や血液がん治療薬オファツムマブ(フェーズ3)といった臨床現場からも期待の高い新薬候補品を開発中だ。
一方、内資大手は第一三共(6)が8位、武田薬品(5)が10位に食い込んだものの、プロジェクト数でみると出遅れた感がある。ただ、個々の開発品をみると、前者はがん骨転移治療薬のデノスマブ(抗RANKL抗体、申請中)といった新薬候補品で今後、抗がん剤市場で飛躍する可能性も秘めている。