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抗凝固薬プラザキサ 「専門医による投与の見極め必要」 日循プレスセミナー

公開日時 2011/10/03 07:02

 「プラザキサを投与する際には、まずは循環器専門医が投与可能な患者の見極めを行うべき」―― 9月30日に都内で開かれた日本循環器学会のプレスセミナーでは、新規の抗凝固薬プラザキサ(一般名:ダビガトラン)の適正使用をめぐり、複数の専門医からこんな意見が出された。同剤は死亡例を含む重篤な副作用が報告されるなど、扱いが難しい薬剤なだけに非専門医が同剤をどう使用すべきか、専門医との役割分担が求められそうだ。

プラザキサの市販直後調査第4回中間報告(2011年3月14日~8月13日)によると、副作用による死亡例が15例、重篤な出血性の副作用が91例報告されている。

セミナーで講演した心臓血管研究所の山下武志院長は、「プラザキサで発出されたブルーレター(安全性速報)の背景には、開業医の先生まで十分な情報が届く前に、同剤のよい情報だけが先に流れ、悪い情報は流れていなかったことがある。そこで大量にプラザキサが使われてしまったことが大きな原因だと思う」と解説した。

そのうえで、専門医と開業医の役割分担に触れ、「プラザキサは1~2か月使えば投与した患者で安全かどうかがわかる。開業医の先生は同剤に関する知識レベルなどが千差万別であるし、患者さんのなかには出血リスクの高い患者さんが混じっている可能性もある。投与にあたっては専門医が安全性を確認し、安全と判断された患者さんは、開業医の先生のところで治療を継続していただくという方法をとったほうが安全」と語った。

一方、大阪医療センターの是恒之宏氏(臨床研究センター長)は、プラザキサの導入の時点では、専門医が腎機能や出血のリスクや、最初によく起こる消化管症状の有無を見極めることの必要性を指摘。そのうえで、「プラザキサの投与が可能な患者と判断できたら、開業医の先生方に治療の一翼を担っていただくという形をとれればいいのでは」と述べ、病診連携の構築が必要との見方を示した。

 

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