ワトソン プロゲステロン8%をスキップ、第2世代製品へシフトか
公開日時 2012/03/16 04:00
米ワトソン・ファーマシューティカルズは、子宮頸管が短い女性による早産の予防を適応としたプロゲステロン膣用ゲル8%が米食品医薬品局(FDA)から「審査完了通知」(Complete Response:CR)を受領し、かつ、同剤の特許切れが間近となっているため、同適応での開発を止め、第2世代の開発にシフトするか、この分野での開発を放棄するかの検討を進めている。
プロゲステロン膣用ゲル8%は、米国ではすでにプロゲステロン欠乏症の女性における不妊治療の適応を持ち、Crinoneの製品名で販売されている。ワトソンは同剤をコロンビア・ラボラトリーズと子宮頸管が短い女性による早産の予防の適応で共同開発、申請はワトソンが行った。
FDAの生殖保健薬諮問委員会(RHDAC)は、1月20日の会合で、同剤の試験データに(被験者について)地理的な一貫性がないとの理由により13対4で同剤の承認に反対を決議したため、FDAはCRを発行した。ワトソンはFDAからCRを受領したことに加え、同剤の特許が2013年9月15日に切れるため、フルに試験をやり直す場合の今後のスケジュールなどの観点から、同剤の新たな適応について見直さざるを得なくなった。
同社のパイプラインには、第2世代のプロゲステロン製剤がフェーズI段階にあるが、これについて、子宮頸管が短い女性による早産の予防の適応での開発を5-6年かけて行う意向はないように見える。その理由のひとつには、プロゲステロン製剤がすでに子宮頸管が短い女性による早産の予防を目的に適応外使用されていることもありそうだ。
(The Pink Sheet 3月5日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから