大塚製薬と協和発酵キリン 糖尿病領域とがん領域で戦略的提携
公開日時 2012/07/02 04:00
大塚製薬と協和発酵キリンは6月29日、糖尿病領域とがん領域で戦略的な提携を推進することで合意したと発表した。糖尿病領域では、協和キリンが大塚の保有するDPP-4阻害薬サキサグリプチン(一般名)の日本における独占開発・販売権を譲り受ける。がん領域では、協和キリンが保有するがん領域の品目について、両社で日本及びアジアで戦略的に提携する。
サキサグリプチンは米ブリストル・マイヤーズ スクイブが創製し、大塚が06年に国内の独占開発・販売権を取得、今年4月に承認申請した。大塚は同剤の承認取得までを担当し、その後、製造販売承認を協和キリンに承継する。大塚は協和キリンから、▽契約時に30億円▽製造販売承認時に82億円▽発売後は売上に応じたロイヤルティ――を受け取る。サキサグリプチンは承認されれば国内6成分目のDPP-4阻害薬となる。
協和キリンは、▽がん▽腎▽免疫/アレルギー――を重点領域に位置づけている。同社の花井陳雄社長は、「糖尿病は、慢性腎疾患の発症、進行に関わる代表的疾病のひとつ。サキサグリプチンを保有することは腎領域製品の拡充となり、この領域の医療により一層貢献できる」とコメントした。
一方、大塚は、▽中枢神経▽がん▽循環器――が重点領域。がん領域の具体的な提携内容は非開示だが、大塚の岩本太郎社長は、「当社の目指すがん領域の事業基盤の強化につながる」とコメントした。大塚は現在、抗がん剤スプリセル(一般名:ダサチニブ水和物)の情報活動を行っているほか、がん関連の開発品は9プロジェクト(日本市場の開発品は7プロジェクト)持っている。