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World Topics 癒し、癒されるプログラム

公開日時 2013/05/27 05:01

 ”Wounded Warrior Project”(WWP:傷病兵プロジェクト)が、そのユニークな活動内容のために注目を集めている。WWPは戦地で傷つき、心身のいずれかまたは両方に障害を負った退役軍人たちのためのプロジェクトだ。(医療ジャーナリスト 西村由美子)


http://www.woundedwarriorproject.org/


エリックは陸軍兵士として2度イラクに派遣され、通算9回被弾、そのうち6回は意識を失って昏倒した。膝と脊椎に重傷を負い、1度は重い脳損傷で生死の境をさまよったが、生き延びて帰国。だが、重度のPTSDのため退役後5年間は暗闇の中にいるようだった。その間に離婚し、いまだに子どもと会えない暮らしだ。


そんな彼を救ったのがWWPの”Combat Stress Recovery Specialist”(戦闘ストレス回復スペシャリスト)である。親身なサポートを受けて回復したErickは、今、他の傷病退役軍人をサポートするボランティアとして働いている。これがWWPのユニークな特徴のひとつで、このプロジェクトで傷病兵を支援するスペシャリストの多くもまた(スペシャリストとして教育を受けた)傷病兵。ボランティアとして他者を助ける仕事をすることが自らの回復のためのプログラムでもあるのだ。


エリックの仕事は介護犬の訓練だ。飼い主が飼えなくなって手放され(あるいは遺棄され)、シェルター暮らしとなった犬のなかから選び出した犬を訓練し、戦争で身体の一部を失ったり、目が見えなくなったりという障害を負った退役軍人,あるいはエリックのようにPTSDに苦しむ退役軍人たちの日常生活を助ける介護犬に育て上げる。最近とみに注目を集めているWWPのユニークなプログラムである。介護犬は子犬のときから適切なプログラムにそって訓練されなければならないというのが常識だが、WWPは敢えて、飼い主と別れ、住む場所を失うというトラウマを経験した犬を訓練することに挑戦し、これに成功したのだ。エリック自身も介護犬に助けられた一人だ。犬は、どんなにエリックが荒れても彼のそばを離れなかったという。


2003年のスタート以来約10年。WWPでは31,000人の退役軍人の社会復帰を支援してきた。いずれも重い心身の障害を負った兵士で、その多くはまだ20代の若者である。


2013年現在、WWPは全米に16の支部を置いているが、350人を雇用するのみで、多くのボランティアに支えられている。年間予算は140ミリオンドルである。スタンフォード大学至近の退役軍人病院(The Veterans’ Administration Hospital)にも特別訓練センターがある。
 


 

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