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医師が求めるMR調査 首位は第一三共 医師との関係はMR減少、注力領域シフト、AI浸透で希薄化

公開日時 2026/02/02 04:52
ミクス編集部による「医師が求めるMR調査2026年版」の「優れているMR」が所属する企業ランキングで、第一三共が首位を堅持した。本調査は、医師850人(開業医400人、勤務医450人)に、優れているMRの所属企業について回答を求めたが、今回の26年版に限ってみると、主要各社で軒並み得票数を減らしていることが分かった。特に武田薬品は前年比で4割近く票が減り、ランキングは前年の2位から5位に後退した。この背景についてミクス編集部は、各社のMR数削減に伴うMRとの接触機会の減少、注力品のスペシャリティ領域へのシフト、さらには医師側の顧客体験(CX)を重視したAI・デジタル活用などを主因とする環境変化があると分析した。

文末の「関連ファイル」に、「優れているMRが所属する企業」として1票以上獲得した企業の全リストを掲載しました(会員のみダウンロードできます。無料トライアルはこちら

同ランキングは、医師850人に「優れているMR」が所属する企業を最大3社、自由記載で挙げてもらい集計したもの。医師はm3.comに登録している一般内科、循環器科、消化器科、呼吸器科、精神神経科、整形外科、皮膚科、泌尿器科――の8診療科の各100人(開業医、勤務医各50人)、及び腫瘍内科の勤務医50人。調査は25年12月10日~11日にインターネットで実施した。

◎第一三共 92票獲得も前年比21票減

今回のランキング上位10社の顔ぶれは前年調査と同じだが、順位は変動した上、得票数は総じて大きく減少した。

2年連続1位の第一三共は92票(全体の10.8%)を獲得したが、前年比では全社で3番目に多い21票減となった。一般内科、整形外科、消化器科で票数を減らし、特に一般内科で12票減った。がん領域にリソースをより集中する一方、がん担当以外のMRは100人減らしており、その影響も表面化したとみられる。

◎武田薬品 前年108票から今回66票 全社で最大の減少数に

例年、第一三共とトップ争いし前年2位だった武田薬品は、前年108票から今回66票に42票の大幅減を喫した。この減少数は全社で最多となる。得意の消化器科では12年連続1位を維持したものの票数は8票減となるなど、調査対象9診療科のうち7診療科で票を減らした。背景には、早期退職者募集などにより1000人未満とされるMR数や25年4月の営業体制の再編、さらにはAI・デジタルを活用したCX戦略の推進が考えられる。人的・デジタル両面での構造改革により、現場でタケダMRが評価される機会自体が減少した可能性がありそうだ。

◎トップ10社 大塚製薬、AZ、MSD、ファイザー、中外製薬も10票以上減

上位10社のうち両社以外に10票以上の減少となったのは、3位の大塚製薬(得票数79票、前年比13票減)、4位のアストラゼネカ(同68票、26票減)、8位のMSD(同47票、16票減)、9位のファイザー(同45票、17票減)、10位の中外製薬(同39票、11票減)――の5社あった。

このうちアストラゼネカ(AZ)は、豊富な新薬を持つ1社だが、票の減少数は全社のうち2番目に多かった。強みを持つ呼吸器科では39票を獲得して首位を堅持したものの、同科でも8票減らした。ただ、興味深いのは、同科における想起の状況で、第一想起(最大3社挙げてもらった時の1番目の社名)、第二想起(2番目の社名)で計39票を獲得した一方、第三想起の得票はゼロだった。ちなみに前年は第三想起で7票得ていた。

今回の結果は、AZのMRが医師にとって“真っ先に顔が浮かぶインパクト”を残しているか、あるいは“全く記憶に残らないか”という評価の二極化を示唆するものかもしれない。AZも早くからAI・デジタル活用によるCX向上を推進しており、接点のデジタル化が進んだ分、MRが医師に対していかに記憶に残る特別な体験を提供できるかが評価の分かれ目になったと言えそうだ。

◎2位にアステラス製薬、泌尿器科医の半数支持 マルホや日本イーライリリー躍進

トップ10社のうち前年から得票数をほぼ維持、または伸ばした企業は3社のみだった。

2位のアステラス製薬は1票減の91票を獲得。他社が大幅に票を減らすなか、得意の泌尿器科で医師の半数(50票)から支持を得て、前年3位から順位を上げた。また、前年10位から6位タイに躍進したマルホは7票増の55票を獲得。このうち52票は皮膚科医からの支持だった。両社とも当該診療科において2位以下にダブルスコアの差をつける独走態勢をみせた。

同じく6位タイの日本イーライリリーは6票増の55票を得た。前年は9位。アトピー性皮膚炎に対する新薬イブグリースの活動を通じて、皮膚科での票数を積み上げたことが寄与した。

◎一般内科で田辺ファーマが初の首位 循環器科で第一三共が16年連続1位

各診療科の得票数1位企業は、一般内科は田辺ファーマ、循環器科と整形外科は第一三共、消化器科は武田薬品、呼吸器科はAZ、精神神経科は大塚製薬、皮膚科はマルホ、泌尿器科はアステラス製薬、腫瘍内科は中外製薬――だった。

唯一、首位が交代した一般内科では、田辺ファーマがマンジャロやゼップバウンドの情報活動を中心に医師の支持を得た。一方で、これまで首位争いを繰り広げてきた第一三共と武田薬品が大幅に票を減らしたことも、田辺ファーマの躍進を後押しする形となった。

なお、第一三共は循環器科での1位は16年連続、整形外科では2年連続。武田薬品は消化器科で12年連続、AZは呼吸器科で6年連続、大塚製薬は精神神経科で10年連続、中外製薬は腫瘍内科で3年連続――の1位。マルホは皮膚科で22年の調査開始以来5年連続の1位、アステラス製薬は泌尿器科で23年の調査開始以来4年連続1位となる。

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