MR#1コンテスト (1/2)
公開日時 2014/11/30 00:00
初代MVMR(最高殊勲MR)
大日本住友製薬・山本助安さん
“医療への貢献”テーマにロールプレイ、プレゼンで審査
“医療への貢献”をテーマに、ナンバーワンMRを決めるMR#1コンテストが11月1日都内の星薬科大学で開催され、大日本住友製薬の山本助安さんが初代MVMR(Most Valuable MR:最高殊勲MR)に輝いた。初開催となる同コンテストは、ナンバーワンの基準を医療への貢献と位置付け、医師、薬剤師、看護師、患者からなる8名の審査委員がロールプレイやプレゼンテーションの内容を審査した。山本さんは、「患者さん、医療者の方々への貢献が全てだと思っている。MR減少時代の中で、100年後に日本でMRが生き残っていけるよう、我々自身が一歩一歩前に進むことで、それを達成したい」と喜びを語った。(望月 英梨)
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山本 助安 さん |
鳥居 藍 さん |
住母家 渉 さん |
高橋 栄記 さん |
内藤 崇 さん |
大日本住友製薬
西日本地域本部
地域統括部戦略
グループ
エリア・アカデミック・
コーディネーター
主事補 |
アステラス製薬
関越支店
水戸営業所
第一チーム |
ファイザー
エスタブリッシュ
医薬品営業統括部
首都圏営業部
千葉中央営業所 |
ファイザー
イノベーティブ
医薬品営業統括部
神奈川医薬支店
横浜南営業所
担当課長 |
中外製薬
プライマリーユニット 九州北営業部
北九州新薬二室 |
(写真:皆川隆一)
コンテストは、一次審査、二次審査(ファイナル)の二段階で実施した。一次審査の応募総数は35通(自薦:20、他薦:15)。他薦は、医師、薬剤師、会社の上司、同僚などからだった。一次審査(書類・動画審査)の結果、上位5名がこの日開催されたファイナルに進んだ。
ファイナル審査は、①審査委員の出題によるロールプレイでの“課題審査”、②自己PRを行う“自由審査”、③シークレット審査として当日公表したパネルディスカッション――の3段階。審査基準は、▽プレゼンの上手さ・丁寧さ、▽知識・知性、▽人間性(誠実さ・マナー・礼儀正しさ)、▽MRとしてのミッション、▽医療への貢献、▽日本の医療の将来を感じられる内容――の5項目とした。
訪問規制突破は質向上がカギ
パネルディスカッションでは、ファイナリストの率直な意見を聞いた。
まず、訪問規制の突破方法とは?「便箋に情報を手書きで記し、渡す。そうした活動を継続することで、普段会えない先生でもふとした瞬間に会ってくれる」(中外製薬・内藤さん)。「過去に何の研究をしていたかなど、周辺状況を踏まえたアプローチ方法を考える」(大日本住友製薬・山本さん)などの声が挙がった。
一方で、大病院担当のMRからは「それほどの弊害はない。なんとか興味を持っていただけるよう行動していると、自然と応援してくれる先生が増える。日頃からの人間関係が大事だ」(ファイザー・高橋さん)との声も。
「コール数を重視していた時もあったが、その医師がやりたいことを実現するためのメンバーとして提案するようになった。その結果、週に何回もアポイントをいただけるように。無理に会わず、必要とされることに重きを置いている」(アステラス製薬・鳥居さん)。
「アポイントをしっかり取ることができれば、その分面会の準備時間が取れる。(訪問回数という)量は減っても1回1回の訪問の質を高めようと、取り組んでいる。回答は、できるだけ1回で行い、それ以外はメールで行っている」(ファイザー・住母家さん)との回答が寄せられた。
MR不要論 全体の底上げの
重要性指摘する声も
MR不要論については、全員が“不要ではない”との立場で臨んだ。「医療従事者が受動的に受け取る情報だけで十分ではない。我々MRが能動的に持っていく情報は必要」(住母家さん)、「MRは、個々の患者さんに合せた情報を提供できる。キュレーション(情報やコンテンツを整理し、新たな価値を付与する)力を身に着けられれば」(山本さん)、
不要ではないMR像の観点から、「医師との話し込みの中で、ニーズを明確にし、すぐ情報をお持ちする。医師が多忙な中で、調べる手間を託していただければ短縮するのが、MRの役目」(内藤さん)との声があがった。
ただ、適正人数には疑問をもつ声も。「率直な感想として不要なMRも少なからずいる。会社として教育する責任、周囲の先輩MRらが指摘して育成することも必要。全体の底上げは重要だ」(高橋さん)との指摘もみられた。
また、「専門外の情報提供などを通じ、患者の治療成績向上に寄与できれば、MRは必要だ。医師と薬剤師との齟齬でコンプライアンス不良になるケースもMRが関与することで向上させたい」(鳥居さん)と患者視点を重視する声もあがった。
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