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石巻市包括ケアセンター・長純一所長の挑戦 地域の力で地域を支える街づくり  (2/2)

公開日時 2016/03/31 00:00
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石巻市立病院の今夏再開で
地域医療がさらに変わる

 

佐藤 石巻市の地域医療の今後の進め方について教えてください。

 

 石巻市立病院が今夏に再開する。被災前はもともと急性期病院だったが、病床数をダウンサイジングして再建する。病院機能としては、亜急性期、慢性期、 1.5次救急、在宅医療をやることになった。石巻赤十字病院に急性期は集約することになった。在宅医療が入ったことで私が市立病院に採用された。

近く総合診療医が制度化される。東北は家庭医、総合医の育成拠点が少ない。ところが実はもっともニーズが高い地域でもある。医療崩壊している地域であるこ とを考える中で、東北でプライマリケア医を育成できる拠点を作りたいということを当初から考えていた。なかでも在宅ケアを含む社会ニーズに応える医師の育 成だ。コミュニティー、公衆衛生、認知症と在宅は非常に大きい。そこを担い、公衆衛生的な地域づくり、保健予防を意識できる医療者を育成したいと考え、こ の呼びかけに若い医師が3人集まっている。指導医も3人にいる。総合診療を一つの目玉にして若い医師を育成していきたい。

地域をみるということ が総合診療医に求められている。相当難しいことだ。これをよく理解している人は少ない。超高齢社会のケアの問題や高齢者爆発に伴う町の衰退などを考えなけ ればいけない。その中で適切な社会保障の仕組みや行政との連携をどうするか、などを勉強するのに被災地ほど適したところはないだろう。石巻に止まらず、東 北の被災地の復興の中で医療の重要性が高まるなかで貢献していきたい。これはまさに長野県佐久地区がやってきた地域医療の考え方だと思う。

 

佐藤 まさにプライマリケアの中心になるという発想ですね。

 

 いまは地域包括ケアが石巻市の最重要政策の位置づけになっている。在宅医療連携モデルとして厚労省や内閣府から支援を受けている。いまは地域創生のモデ ルにもなっている。政治的には地域包括ケアだ。絶対的に地方の医師不足は加速する。本腰を入れて総合医を育てなければならない。

 

 

地元のケアマネや看護師から
学ぶことも多分にある

 

佐藤 多職種連携の中で製薬企業は果たす役割はあるのだろうか。

 

 市民向けというと認知症の関係で複数の製薬会社がやっている。非常に重要なことだと思う。ただ、当該企業の医薬品との直接関係がある無いに関わらず、今後は地域包括ケアの推進のために、医師会の勉強会や生涯教育の中で製薬企業がバックアップしてくれることを望む。

ただ、正直、地域の医師会が勉強するテーマは最先端の医学ではない。明らかに地域包括ケアや在宅医療だ。このため勉強会の講師は大学の教授でなく、地元の ケアマネや看護師がやるべきだと思う。製薬会社の思惑もあるかもしれない。自社の薬を売る、教授を味方につけるという狙いもあるのかもしれないが、あえて 最先端の学者だけでなく、地域医療の現場で活躍する多職種の方々をサポートしてもらいたい。特に地域包括ケアであるならば、総合医として地域医療に取り組 んでいる方を講師にするなど一考だ。決して直接的な企業の利益にならないかもしれないが。会社のブランド価値はあがるのではないか。

 

佐藤 社会的に製薬企業は地域に貢献していると思われていないと感じる。もう少し何とかならないかと思うところだ。本質的な議論をしないまま医師と製薬企業の 接触も奪われている。あらためてお見合いの場があってもいいのではないかと思う。襟を正そうかとしているのではないか。

 

 大学の教授と 製薬会社は良い悪い含め過度に関係を持ちすぎた歴史がある。製薬企業も変わってきていると思うが、できればお抱え学者でない、実践的な医師にフォーカスを して欲しい。最先端の医療を学ぶことが本当のプライマリケアに必要かというと、決してそうではない。地域医療のシステムを作ろうとしている医師や医療者に もっとフォーカスして欲しい。むしろ地域の医療ニーズを理解していると話が出来ると思う。一方、医師側もそうした情報をキャッチアップするようにならない といけない。

 

佐藤 きょうは長期時間にわたり貴重なお話をありがとうございました。
(2016年3月1日、石巻市医師会にて取材)

 


マルチチャネル3.0研究所とは:(MC3.0研究所)
「地域医療における製薬会社の役割の定義と活動スタイルを定義することを目的にして、製薬企業の新たなる事業モデルを構築し地域社会並びに患者や医師をはじめ とする医療関係者へのタッチポイント増大に向けたMRを中心とするマルチチャネル活用の検討と実践を行う研究機関」である。設立2015年4月主宰 佐藤 正晃(一般社団法人医療産業イノベーション機構 主任研究員)

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