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26年度診療報酬「改定率」の調整は最終局面 医療界一致団結で「大幅プラス改定」の声を官邸へ

公開日時 2025/12/19 04:52
2026年度診療報酬改定の改定率をめぐる政府内の調整が最終局面を迎えている。賃金・物価高への対応が焦点となる中で、自民党の「社会保障を守る会(代表:田村憲久衆院議員)」は12月18日、自民党本部で緊急集会を開き、「大幅なプラス改定」を決議した。緊急集会には医療関係団体から800人を超える参加者が集うなど、医療界が一致団結して気勢をあげた。同日夕刻には、田村衆院議員らが官邸を訪れ、高市早苗首相に決議文を手渡し、医療界の声を直接届けた。厚労省と財務省は協議を続けるが、賃金・物価対応は認めるものの適正化を主張する財務省との間に、なお隔たりがある状況が続いている。高市政権にとって初の予算編成作業で焦点となる26年度診療報酬の改定率はきょう19日午後にも、高市首相が裁定する見通し。

社会保障を守る会は自民党の国会議員31人が呼びかけ人となり、開かれた。決議文では、“医療現場の想いを確実に反映する”ことを求め、26年度診療報酬改定で「現役世代の保険料負担抑制にも配慮しつつ、25年度補正予算に盛り込まれた医療機関等への支援効果を減ずることなく継承し、その上で今後の物価上昇・賃金増を反映し、デフレ下とは異なる新たな経済動向にふさわしい大幅なプラス改定」を求めた。医薬品についても「創薬力向上・医薬品安定供給に配慮しつつ、必要十分な改定を行うこと」とした。会場の自民党本部には国会議員や医療関係者など800人超が集い、立ち見が出るほどの熱気が立ち込めた。ライブ配信にも1100以上のアクセスがあったといい、参加者が「ガンバロー」と気勢をあげた。

◎田村衆院議員「自民党の国会議員は腹をくくって戦い抜く」 「財務省をねじ伏せる」 

社会保障を守る会の代表呼びかけ人の田村衆院議員は、「(骨太方針2025に社会保障費に賃金・物価を加算することを)書き込んだだけでは改定は大きくプラスにはならない。決起大会にお集まりいただき、この声を官邸へ、そして官邸がわかっても財務省をねじ伏さないといけない。財務省をねじ伏せるといのが今日の会だ」と力強く訴えた。

医療介護福祉業界の従事者の賃上げの必要性を改めて指摘し、「我々自民党の国会議員は腹をくくって今回戦い抜く。国民の皆様のために、そして医療・介護・福祉で働く仲間のためだ。最後まで我々は体を張って戦い抜くので、どうか仲間の皆様方も我々が倒れればその屍を上から踏み潰して、さらに本丸に向かってどうか突撃していただきますように心からお願いを申し上げる」と強調した。

自民党の鈴木俊一幹事長は、「大事なことは経営の安定や現場で働く幅広い職種の方々の賃上げに確実につながるようにすることだ。そのために診療報酬に物価賃金上昇を適切に反映させるなど、十分な改定率を確保しなければならない」と強調した。

加藤勝信衆院議員は「厳しい状況にある危機感、その中でこうして多くの皆さんが結集していただいたと思う。我々はまずその思いをしっかりと受け止めさせていただくことを改めて申し上げたい」と述べた。そのうえで、物価や賃上げ、医療機関の経営状況など「今回の診療報酬改定は、これまでの診療報酬改定とは全然違うということをしっかりと意識してかなければいけない」と表明。「補正予算で後からやればいいという声も聞こえなくはない。しかし、来年も赤字が見えた医療機関に金融機関が貸してくれるのか。そのことをしっかり我々が認識すると、今回の診療報酬改定でしっかりとした基盤を作っていかなければ、医療をはじめとした社会保障が崩壊してしまう。この強い危機感をぜひ共有していきたい」と訴えた。

◎日医・松本会長 レセプト単価上がらず「医療経営はとても成り立たない」と訴え

日本医師会の松本吉郎会長は白衣姿で登壇。この日も早朝から自院で診察してから自民党本部に駆け付けたと明かし、「気付くことはこの 10年、レセプト1枚の単価が上がってない。むしろ下がっている。本当に酷い話だ。その中でインフレになってコスト高になり、賃金物価が上昇の中で、私たちの医療経営はとても成り立たない」と指摘。「今回の私たちの叫びは、何も変なことを言っているわけでも、無理を言っているわけでもない」、「ごくごく当たり前のお願いをしているということを、皆さんもうちょっと大きな声を出して言いましょう」と呼びかけた。

日本薬剤師会の岩月進会長は、1:1.1:0.3の改定の配分比率に触れ、「金額が上がっても比率が変わってしまったら原資がなくなってしまう。ぜひこれの方針を含めたお約束を守っていただきたい」と訴えた。

◎夕刻に高市首相に決議文を手渡し 「しっかりと決議を含めて受け止めます」高市首相

社会保障を守る会は国会議員10人で夕刻に高市首相の下を訪れ、の国会議員が高市早苗首相に決議文を手渡した(写真は、自見英子参院議員事務所提供)。訪問後の本誌取材に対し、自見英子衆院議員は、高市首相は「医療介護福祉従事者のエールもいただきました。しっかりと決議を含めて受け止めます」と応じたと話した。


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