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EMA CNS系薬剤開発の問題点を抽出

公開日時 2016/12/09 03:50

中枢神経(CNS)系薬剤における開発では、開発の成功の要因は早期臨床試験における問題を生じることにある――。欧州医薬品庁(EMA)が11月29日発表した、1995~2014年までのに提出された臨床試験実施申請データの分析から示された。


「精神科もしくは精神科分野における薬剤についての申請の分析」(Analysis of the Application for Medicines in the Fields of Psychiatry or Neurology)と題する報告書は、医学専門誌「Nature Reviews Drug Discovery」に掲載された。分析はEMAのスタッフが行った。


CNS系薬剤の開発は、他薬効領域の薬剤に比べ、臨床開発中の脱落率が高いことが知られており、その原因や問題点がどこにあるのかを探るのを目的に分析が行われた。


著者らは、1995~2014年までにEMAに臨床試験実施申請が提出され、ヒト医薬品委員会(CHMP)で審査された103件(神経疾患治療薬57件および精神疾患治療薬46件)の臨床試験プログラムについて精査した。これら薬剤のうち、74件が承認勧告を受け、29件は承認不可もしくは申請取り下げとなった。これら薬剤の薬効別内訳は、統合失調症、大うつ病性障害、アルツハイマー型認知症、てんかん、パーキンソン病、や多発性硬化症など。


その結果、医薬品の有効性をめぐる問題は、臨床試験計画の3分の1以上で、安全性の問題は2分の1以上で生じていた。アウトカム試験で有効性・安全性の観点から大きな問題がみられた品目のうち、50%以上は早期臨床開発においても問題が生じていた。臨床アウトカム試験で大きな問題を示さなかった品目のうち、早期臨床開発に問題がみられたのは13%に過ぎなかった。同様に、早期開発段階に問題を持った開発計画の91%は、確認試験の結果について問題を持っていた。後期開発段階における同様の問題は、早期段階において問題のない申請の55%に生じていた。


結果を分析すると、神経疾患治療薬および精神疾患治療薬のタイプ別における問題の相違も示された。確認試験の計画をめぐる問題、および試験結果と臨床との関連性をめぐる問題ともに神経疾患治療薬よりも精神疾患治療薬の分野でよく見られたことも報告された。

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