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政府・未来投資会議 「ゲノム医療の推進」で革新的新薬の早期承認明記へ

公開日時 2019/06/06 03:52
政府の未来投資会議は6月5日、2019年度の「成長戦略実行計画案」を示した。AI(人工知能)やIoT、ビッグデータなどが第四次産業革命を引き起こすなかで、オープンイノベーションの重要性を強調。「人財・技術・資本の閉鎖的な自前主義、囲い込み型の組織運営を脱し、開放型、連携型の組織運営の移行する」必要性を指摘した。同日示された、「革新的事業活動に関する実行計画案」では、「ゲノム医療の推進」として、「AI技術、ゲノム情報等を活用して開発された革新的医薬品等について、早期承認に向けた審査・調査体制整備を推進」を盛り込んだ。

成長戦略実行案では、第4次産業革命により、これまでの“同質的なコスト競争”から、“付加価値の獲得競争”へと変化を突き付けられていると指摘。企業経営者がデジタリゼ―ションを本格活用し、差別化を図り、「付加価値の高い新たな製品、サービス」を生み出す競争に入るとした。変化のスピードが大きい中で、政府としても変革に臨む決意を示し、「この1、2年が勝負」と明記した。

◎2020年通常国会で新法 GAFAなどデジタルプラットフォーマーで透明性確保


一方で、企業にはイノベーションの担い手としての役割を求め、「資金面・人材面で豊富なリソースを有する既存企業・大企業の役割も重要」とした。デジタル市場のルール整備の重要性も明記した。GAFAなど巨大企業が出現するなかで、「データの独占により競争障害が起きる」可能性を指摘。省庁横断的に多様・高度な知見を有する専門家で構成される専門組織「デジタル市場競争本部」(仮称)を今夏にも設置。取引慣行の透明性や公正性確保のための法案「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法」(仮称)を2020年の通常国会に提出することも盛り込んだ。

◎全世代型社会保障改革も盛り込む 人生100年時代で疾病予防の重要性強調


「安倍内閣最大のチャレンジ」に位置付ける、全世代型社会保障改革についても盛り込んだ。人生100年時代となるなかで、疾病・介護予防の重要性を強調。健康寿命を延伸し、QOLを向上、高齢者の活躍が促進する社会の実現を目指す。

疾病・介護予防としては、糖尿病を例にあげ、広島県呉市がレセプトデータを活用し、新規透析導入を防いだ事例を紹介し、保険者の取り組みを促した。リアルワールドデータ(RWD)を活用して、各自治体がベンチマークし、改善に取り組むPDCAサイクルを回したい考え。

◎保険者インセンティブで生活習慣病の重症化予防の配点高める

保険者インセンティブとして具体的には、生活習慣病の重症化予防や個人へのインセンティブ付与、がん検診の受診率向上などについて保険者インセンティブの配点を高める。さらに予防・健康づくりの成果に応じて配点割合を高め、優れた民間サービスの導入を促進する。KPIとしては、「2040年までに健康寿命を男女ともに3年以上延伸し、75歳以上とする」と明記。糖尿病については、「糖尿病有病者の増加を抑制し、22年度までに1000万人以下に抑制」、「28年度までに年間透析患者数を3万5000人以下に減少」などをKPIとして盛り込んだ。

◎医薬品関連で事業計画案 がんゲノム軸としたデジタルトランスフォーメーション

医薬品関連では、具体的なKPIやタイムスケジュールを示した「革新的事業活動に関する実行計画案」に“日本発の優れた医薬品・医療機器等の開発、事業化”や国際展開などが盛り込まれた。

2020年度以降には、次期健康・医療戦略・医療分野研究開発推進計画の下、「再生・細胞医療、遺伝子治療、ゲノム・データ基盤の医療技術・手法の研究開発を促進」することを盛り込んだ。ゲノム医療では、産官学が一体となってゲノム情報・臨床情報を収集・分析し革新的新薬創出を目指すがんゲノム医療コンソーシアムが設置されている。

製薬業界は5月20日に開かれた「革新的医薬品創出のための官民対話」で、がんゲノム情報などリアルワールドデータ(RWD)を適切に利活用するため、政府が主導し、環境整備に努めるよう強く要望した。医療界も同様な要望をしていた。

成長戦略には、がんゲノム医療提供体制の拡充や、難病の早期診断の実現に向けた遺伝学的検査の実施体制整備、治療法開発の推進、承認審査体制の整備などが盛り込まれた。難治性がんについては、早期診断に向け、リキッドバイオプシーなどの血液や唾液などによる簡便で低侵襲な検査方法や治療方法の開発を推進することのほか、“ナッジ理論”を活用したがん検診受診率の向上を盛り込んだ。すべてのがん種の検診受診率を22年度までに50%以上とする考え。

◎認知症 RWD利活用へ19年度からデータ収集に着手 官民プラットフォームも

認知症についても、リアルワールドデータ(RWD)の利活用が盛り込まれた。具体的には、2019年度から予防法の確立に向けたデータ収集に着手し、20年度にはデータ利活用の枠組みを構築、20~25年度には利活用を推進する姿を描いた。さらに官民連携プラットフォームを活用し、早期発見・予防、共生についての危機・サービス評価指標の各膣と官民連携を行うことを盛り込んだ。施策は、政府が策定に向けて検討を進める「認知症施策推進大綱」に基づいた総合的な施策を推進する。

◎アジア・アフリカへの国際展開も盛り込む UHCの強み発揮

国民皆保険に当たるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の全世界への展開を政府が掲げるなか、国際展開も盛り込んだ。アジア健康構想に基づいた海外展開に加え、2019年度中にはアフリカ健康構想を策定し、これに基づいたヘルスケア関連産業のアフリカへの展開を推進することを盛りこんだ。海外に日本の医療拠点を2020年までに20か所程度創設するほか、日本の医療技術・サービスが獲得する海外市場規模を30年までに5兆円規模とすることを目指す。
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