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日本感染症学会・舘田理事長 新型コロナウイルスで「パニックにならないよう」呼びかけ

公開日時 2020/01/23 04:50
中国を中心に感染が拡大している新型コロナウイルスについて、日本感染症学会の舘田一博理事長(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)は1月22日、都内で開いた記者発表会で、「パニックになることがないよう、対応していかないといけない」と呼びかけた。SARSやMERSは医療従事者が重症化し、院内感染などが広まった経緯がある。一方で、新型コロナウイルスについては、現時点では医療従事者の感染はあっても、重症化したという報告はないと説明した。ただ、「新型コロナウイルスが変異を起こしたら、SARSのようになるという可能性は否定できない」と述べ、今後も注視する必要性を強調した。

◎「FUSEGU 2020」発足 日本感染症学会・日本環境感染学会


同日、日本感染症学会と日本環境感染学会は、感染症予防プロジェクト「FUSEGU 2020」を発足させたことを発表した。東京オリンピック・パラリンピックの開催を目前に控えるなか、学会や企業、団体が連携して、感染症への理解と必要な予防手段の普及などの啓発活動に取り組む考え。2月には、学会の会員向けに感染症に関する危機感などの意識調査を行うほか、市民公開講座の開催なども予定している。

◎麻しん、髄膜炎菌など7ワクチンの接種を強く推奨 サノフィは備蓄増で備え

日本感染症学会の舘田理事長は、「医療従事者が特別の注意を払い、備えることに加えて、一般市民の感染症に対する正しい理解や行動が重要になる」と呼び掛けた。そのうえで、事前に受けておきたいワクチンとして、麻しん風しん混合(MRワクチン)、髄膜炎菌ワクチン(4価結合体髄膜炎菌ワクチン)、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、水痘ワクチン、おたふくかぜワクチン、インフルエンザワクチン―の7つのワクチンを指摘。医療関係者と大会関係者には、麻しん、風疹については「全員に接種を強く推奨」していることを紹介した。

プロジェクトの賛同企業のサノフィの担当者は、現在、唯一同社が承認を取得している髄膜炎菌ワクチンについて、「オリンピックに向け、通常の数倍の量」を備蓄していることを明らかにした。プロジェクトには、11学会のほか、サノフィ、塩野義製薬などの製薬関係をはじめとする12社が賛同企業として参加している(1月22日時点)。

オリンピックなど、一定期間に限定された地域に多くの人数が集まることは、マスギャザリングと呼ばれ、海外から感染症が持ち込まれるリスクや、感染症患者が多くの人と接触し、知らない間に感染を拡大させるリスクがあることが知られている。近年開催されたオリンピックでも、バンクーバーオリンピック(2010年)、ソチオリンピック(2014年)では麻しん、リオオリンピック(2016年)ではジカ熱の感染が報告。東京オリンピック・パラリンピックでも警戒感が強まっている。



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