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芙蓉開発 介護統合管理システム「安診ネット One LIFE 対応」を開発 介護現場のLIFE対応を支援

公開日時 2022/05/26 04:48
医療・介護・ヘルスケア向けAI・ICT商品の開発・販売を手掛けている芙蓉開発(本社:福岡市)は、介護報酬/科学的介護推進体制加算(LIFE加算)対応の介護総合管理システム『安診ネット One LIFE 対応』の提供を開始する。5月11日には同システムの発表会がオンラインで行われた。多くの介護事業者はLIFE対応に前向きな姿勢を見せるものの、科学的介護に対するノウハウ・経験不足などより、実際に同加算を算定している事業者はそれほど多くはない。そうした中でリリースされた同システムは、AI健康管理で重度化防止の実績を持つ『安診ネット One』に、自立支援に関する新システムを組み合わせることで、業務負担の軽減と自立支援・重症化防止を両立させ、LIFE対応を推進させるというもの。科学的介護を進める起爆剤になるかどうかが注目される。

◎科学的介護推進でシステムのICT化は必須


科学的介護推進体制加算(LIFE加算)とは、介護サービスの質の評価と科学的介護の取組を推進することを目的に、2021年度介護報酬改定で施設系サービス、通所系サービス、居住系サービス、多機能系サービスの幅広いサービスを対象に新設された介護報酬。算定要件としては、入所者ごとのADL値、栄養状態、口腔機能、認知症の状況等に関する基本的な情報を、科学的介護情報システム(LIFE)を用いて厚生労働省に提出することが求められている。

厚労省の調査によると、大半の施設でLIFEを導入して科学的介護に取り組む意欲を占めているが、実際に対応できている施設は26%にすぎない。従来の介護システムは、記録・申請・請求機能が中心であり、「LIFE対応に手間がかかる」「収益と労務」などがネックとなり、なかなか進展していないのが現状だ。

発表会では全国介護事業者連盟理事長の斉藤正行氏が「LIFE対応は単純に利用者の状態像をデータ入力していくのみならず、いわば医療におけるEBMの介護版。エビデンスに基づく介護を推進していくためには、科学的に妥当性のある指標が必要だ。LIFEによって情報取集し、ビッグデータでその情報を蓄積・解析したのちにその結果を現場にフィードバックして介護現場はさらなる科学的介護を推進していく。この考え方がLIFEである」と説明。その上で「国は科学的介護の普及に本気で取り組む考え。間違いなく2024年の診療・介護報酬同時改定では、このLIFEの基盤を中心としたより一層の科学的介護への評価、またLIFEのデータに基づくアウトカム評価が進められていく。現場の介護事業者はLIFEにしっかりと向き合っていくことが重要」と述べた。ただし、LIFE対応には時間や手間がかかり、介護現場の負担増大は避けらない。そのため、併せてICT化やDXの推進等による職員の負担軽減や生産性の向上を図っていく取り組みが必須になるという。

◎AI健康管理に業務サポート機能を追加

今回、介護総合管理システム『安診ネット One LIFE 対応』を上市した芙蓉開発は、関連組織である医療法人で病院や老人ホームを運営するほか、研究部門を有してAMEDや厚生労働科学研究を展開している。

同社より2008年に発売された『安診ネット』は「医療資源の乏しい施設や在宅でも病院並みの健康管理」を掲げ、バイタルの自動取得・個別分析というAI健康管理により疾患の早期発見や重度化防止に努め、さらには在院日数の短縮や要介護度の維持・改善といった実績を積み上げてきた。今回、これに業務サポート機能を追加して多職種の業務負担軽減と利用者の自立支援を支援していくのが、介護総合管理システム『安診ネット One LIFE 対応』である。

具体的には、介護記録やケアプラン、請求などの介護記録だけでなく、病院の電子カルテシステムのように医師や看護師、リハビリスタッフや管理栄養士、事務職など施設内の全職種の記録を一括管理するシステムを構築した。さらに入力データから従来の健康リスクを評価する機能に加えて、利用者のADLや栄養状態などの変化がピックアップされる情報共有機能を搭載。これらのシステム・機能によって、自立支援や重度化防止を効率的に行う上で重要とされるリハビリ・栄養管理・口腔ケアの一体的な取り組みを自動化・見える化し、職種内および多職種連携によるPDCAを回していくことで、業務を削減しつつ、「自立支援・重度化防止の成果」が得られるようになるという。

芙蓉グループの開発責任者は、「昨年の介護報酬改定で科学的介護の概念が導入され、これにより“お世話介護”から“エビデンスに基づく介護”への道筋が示された。ただ科学的介護の実践では属人的な対応では難しく、LIFEでは厚労省から科学的介護に関するデータがフィードバックされるが、どう活用していけばいいのかわからない施設が多くを占める。日々のバイタル・症状管理と、LIFE対応のための業務・サービスをPDCAに沿って自動的に回していくことで科学的介護を進めていく介護統合管理システムが不可欠だと思う」と述べている。

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