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岸田首相 骨太方針に向け「費用対効果の高い革新薬への重点化を」 データに基づく仕組みに 諮問会議

公開日時 2024/05/24 06:40
岸田文雄首相は5月23日の経済財政諮問会議で、骨太方針に向けて、効率的で強靱な社会保障制度を構築するための施策の一つとして、「薬価制度において費用対効果の高い革新的新薬への重点化を図る」よう指示した。諮問会議の民間議員も、「イノベーション促進の観点から費用対効果の高い革新的新薬に対する薬剤費の配分の重点化」の検討を求めるとともに、国民皆保険の堅持と両立させる観点から費用対効果評価の検討を求めた。赤澤亮正財務副大臣も、「EBMを進める観点から、医薬品使用について費用対効果評価の活用などにより、データに基づく仕組みへと見直していくべき」と指摘した。

岸田首相は、社会保障が成長と分配の好循環を支える柱として機能するために、「これまでと同様、社会保障給付費対GDP(国内総生産)比の上昇基調に対する改革に取り組む」必要性を指摘。「医療DXや社会保障分野でのイノベーションの創出に向けた取組みを進めるとともに、地域医療構想や一人当たり医療費の地域差半減など医療費・介護費の適正化に向けた改革を前進させる」と強調した。具体的には、「電子カルテの導入や標準化、全国医療プラットフォームの構築、医療情報の二次利用に向けた環境整備等を進めるとともに、薬価制度において費用対効果の高い革新的新薬への重点化を図る」と述べた。

◎「環境整備と人材育成による創薬エコシステム強化」を

民間議員はイノベーション創出の観点から、「革新的新薬に対する薬剤費の配分の重点化」に加え、アカデミアのシーズを実用化につなげる観点から、「基礎研究と創薬スタートアップとの連携強化、迅速な治験のための環境整備と人材育成等により創薬エコシステムを強化」することを提案した。

武見敬三厚労相は、「国内戦略と国際戦略の両面によって、国際貢献と同時に海外市場の活力を日本経済に取り込み、保健・医療分野のさらなるイノベーションにつなげていくことが大事だ。国内戦略について推進するとともに、国際戦略としてはアジア諸国をはじめとするインド・太平洋地域における高齢化を大きなチャンスと捉え、疾病構造の変化も踏まえながら、革新的新薬の開発や医療・介護における資本・技術・人材の好循環の実現によるイノベーションの国際展開を推進する。より強靭なユニバーサルヘルスカバレッジの実現に貢献するため、世界銀行WHOと協力したUHCのナレッジハブの日本の設置といった国際分野での新しい取り組みを進める。こうして生じるダイナミズムが国内・海外に広く行き渡るエコシステムを構築することで活力ある健康活躍社会を実現していく」と述べた。

◎「民間保険の活用も含めた保険外併用療養制度の対象範囲拡大」検討を

保険外サービスの活用も議論の俎上に上った。民間議員は、「民間保険の活用も含めた保険外併用療養制度の対象範囲拡大」について検討する声も民間議員からあがった。保険外併用療養では、保険外の部分は自費となるが、患者負担の観点から民間保険の活用を提案した。

◎健康・医療分野の産業化もポイント 保険外のサービスなど議論に

民間議員は、誰もが活躍できるウェルビーイングの高い社会の実現に向け、「健康・医療分野の産業化」をポイントにあげた。PHRデータの活用などにより、国民の自発的な疾病予防・健康づくりを推進することも盛り込んだ。

齋藤健経済産業相は、「高齢化が世界に先駆けて進展する我が国で、医療・介護を含む健康への需要が拡大・多様化する中で、公的保険のみで対応することには限界がある。この前提を転換させなくては、社会保障制度の持続可能性の懸念もビジネスケアラーの問題も乗り越えることができない。医療・介護の公的保険の外側にも受け皿を確保するため、スタートアップを中心に超高齢化に対応した新たな製品、サービスを開発する。さらにそれらをビジネスとして世界に展開し、世界をリードすることが一つの目指すべき道ではないか。厚労省とも連携しながら、PHRの推進や保険外サービスの質の向上や活用促進に取り組んでいる。グローバルマーケットを見据えた革新的な医療機器などの研究開発支援も進めていく」と述べた。

武見厚労相は、「進歩する医療技術を我が国の成長産業として取り込んでいくことにもつながり、ひいては少子高齢化が本格化する中にあっても、国内における改革努力により確保された財源を国際展開に向けた投資に向けることによって社会のダイナミズムを維持・向上させていくことにも資すると考えている。このため、例えば個人が主体的に進める予防・健康作りの取り組みについて、ウエアラブルデバイスを最大限活用するということなど産業政策の観点も盛り込みながら進めるとともに、医療費適正適正化につなげていくことが重要である」との見解を示した。

◎医師の偏在対策で民間議員「経済的インセンティブと規制的手法のベストミックスを」

医療提供体制をめぐっては、岸田首相が「地域医療構想について、国民目線に立ってかかりつけ医機能が発揮される制度整備を進めつつ、地域の医療提供体制が効率的で質の高いものとなるよう、都道府県の責務の明確化を含め、実効的な仕組みを構築する。偏在是正のため、効果的な手法のベストミックスを検討する」と表明。諮問会議の民間議員は、医師偏在是正に向けて、「診療報酬等による経済的インセンティブと規制的手法のベストミックスによる対策を早急に検討」することを求めていた。

赤澤財務副大臣は、「診療報酬等の経済的インセンティブで規制的手法による医師偏在の是正や医療・介護保険外サービスの活用といった事項を含め、昨年末に閣議決定した改革工程に沿って着実に議論を進め成果を上げていくことが重要」との見解を示した。

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