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骨太原案 25年度薬価改定を明記「イノベ推進、安定供給、皆保険持続を考慮して検討」 費用対効果は「適用拡大」

公開日時 2024/06/11 18:16
政府は6月11日の経済財政諮問会議(議長・岸田文雄首相)に、「経済財政運営と改革の基本方針2024(骨太方針)」の原案を示した。原案では、「2025年度薬価改定に関しては、イノベーションの推進や安定供給確保、国民皆保険の持続可能性を考慮しながら、その具体的な在り方について検討する」と明記した。費用対効果については、「引き続き迅速な保険収載の運用を維持」した上で、「適用の拡大について検討する」とした。医薬品などを早期に活用できるよう、「民間保険の活用も含めた保険外併用療養制度のあり方の検討」も盛り込んだ。骨太方針は与党調整を経て、6月21日にも正式決定される見通し。

◎歳出改革努力は継続 25~27年度の「改革集中期間」は高齢化の伸び相当に抑制

骨太方針では、人口減少が本格化する2030年を対象期間とする「経済・財政新生計画」を定めた。中長期の経済財政に関する試算を踏まえ、「歳出改革努力の継続を前提として、2025年度の黒字化が視野に入る状況にある」と指摘。財政健全化の旗を下ろさないことを明記し、「25年度の国・地方を合わせたPB黒字化を目指す」方針を明確にした。

25~27年度については集中改革期間に定め、「これまでの歳出改革努力を継続する」とした。骨太方針2021では、「社会保障関係費については、基盤強化期間においてその実質的な増加を⾼齢化による増加分に相当する伸びにおさめることを⽬指す⽅針とされていること、経済・物価動向等を踏まえ、その⽅針を継続する」とされており、この方針を継続し、高齢化の伸び相当分に抑制することを目指す。具体的な内容については、「経済・物価動向に配慮しながら、各年度の予算編成過程において検討する」とした。

◎ゲノムデータ個人情報保護法上の解釈の明確化、次世代医療基盤法の利活用も

医薬品関連では、「創薬力の強化等ヘルスケアの推進」の項目を立て、“創薬力強化”を前面に押し出した。内閣官房の「創薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議」の中間とりまとめを踏まえ、「有望なシーズを速やかに実用化する国際水準の研究開発の実現に取り組む」とした。具体的な施策として、ファースト・イン・ヒューマン(FIH)試験を実施できる国際競争力ある臨床試験体制の整備や臨床研究中核病院の承認要件見直し、治験薬・バイオ医薬品の製造体制の整備や人材の育成や確保などを列挙した。医療データ利活用にも言及。「医療機関や企業の研究者による医療データの利活用を推進するため、個人識別性のないゲノムデータに関する個人情報保護法上の解釈の明確化等を図る」と明記した。また、仮名加工医療情報を用いた研究開発推進に向け、「次世代医療基盤法の利活用を進める」とした。

◎官民協議会設置 外資系企業・VC呼び込み「アーリーステージの研究開発投資を」

エコシステムを構築し、海外から人材・資金を呼び込む重要性も指摘。「官民協議会による外資系企業・VCの呼び込み等を通じ、アカデミアから産業界にわたる多様なプレイヤーをつなぎ、アーリーステージの研究開発資金が投じられるようその推進体制の整備も含め、創薬エコシステムの再編成を図る」必要性を強調。あわせて、大学病院の研究開発の整備やAMEDの研究基盤強化の必要性も盛り込んだ。

◎民間保険の活用も含めた保険外併用療養費制度のあり方検討を

また、「イノベーションの進展を踏まえた医療や医薬品を早期に活用できるよう、民間保険の活用も含めた保険外併用療養費制度のあり方の検討を進める」ことも盛り込んだ。

◎現役世代の保険料負担配慮で「費用対効果評価の適用拡大」検討 薬剤の自己負担見直し

一方で、「引き続き迅速な保険収載の運用を維持した上で、イノベーションの推進や現役世代等の保険料負担にする観点から、費用対効果評価の適用の拡大について検討する」と明記。「休薬・減薬」を含む効果的・効率的な治療に関する調査・研究を推進し、診療ガイドラインに反映することも盛り込んだ。バイオシミラーの使用促進に加え、さらなるスイッチOTC化の推進などによりセルフケア・セルフメディケーションを推進しつつ、「薬剤自己負担の見直しについて引き続き検討を進める」とした。なお、改革工程において、「薬剤定額一部負担」、「薬剤の種類に応じた自己負担の設定」、「市販品類似の医薬品の保険給付のあり方の見直し」が盛り込まれている。

◎後発品業界の再編に言及 「安定供給に係る法的枠組みを整備」も明記

供給不安が続く中で、後発品業界の再編についても言及。「医薬品の安定的な供給を基本としつつ、後発医薬品業界の理想的な姿を見据え、業界再編も視野に入れた構造改革を促進」するとし、「安定供給に係る法的枠組みの整備」を明記した。なお、厚労省の「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議」では、ジェネリックメーカーだけでなく、全ての製薬企業に対し、「安定供給責任者の設置」を求めることが議論されている。

また、特定重要物資とされる抗菌薬について、国内製造の原薬が継続的に用いられる環境整備のための枠組みや一定の国内流通量を確保する方策について検討し、24年度中に結論を得るとした。新規抗菌薬開発に対する市場インセンティブにより、薬剤耐性菌の治療薬を確保するとともに、抗菌薬研究開発支援に関する国際連携を推進することも盛り込んだ。




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