日病薬創立70周年式典で武田会長 「時代に求められるプロとしての薬剤師が活躍できる環境つくる」
公開日時 2025/10/20 04:50

日本病院薬剤師会の武田泰生会長は10月18日、東京都内で開催した創立70周年記念式典で、「これからの未来に向けて、時代に求められるプロフェッショナルとして薬剤師が活躍できる環境をつくっていきたい」と抱負を述べた。また、医療の質の向上やチーム医療の貢献のために、多様化する創薬モダリティへの対応やタスク・シフト/シェアの推進などに取り組む考えを示した。
「科学的な視点を持って最適、最善の治療を患者さんに提供するファーマシスト・サイエンティストとしてのプロフェッショナリズムがあって現在がある。その大前提は変わらず、時代に合わせた薬剤師のあるべき姿を考えていきたい」―。武田会長は式典の冒頭あいさつでこう強調した。その上で、これからの10年に向けた日病薬のミッションとビジョンを発表。ミッションでは、「薬剤師の専門性・倫理性・人間性を融合し、科学技術と協働しながら、すべての人に安全で最適な薬物療法を届けることで、持続可能な医療と健康社会の実現に貢献する」。ビジョンでは「薬剤師が高い資質と倫理観を備え、すべての医療現場で信頼されるプロフェッショナルとして活躍する社会を実現する」とそれぞれ掲げた。
◎これからの10年へ モダリティ多様化への対応やチーム医療・地域連携の強化掲げる
ビジョンの達成に向けた活動の3本柱には、「資質の向上」、「職能の拡大」、「薬剤師の充足」を掲げた。それぞれの具体的な取り組みとして、「資質の向上」では、多様化する創薬モダリティに対応するため、卒後臨床研修の創設、▽専門薬剤師制度の改革、▽総合的な臨床能力を有する薬剤師の育成―などに取り組んでいく方針を示した。
「職能の拡大」では、医療現場でのタスク・シフト/シェアが進む中で、チーム医療・地域連携の強化や、医療DXへの対応を進めていくと強調。「薬剤師の充足」では、薬剤師の処遇改善や地域偏在解消を取り組むべき課題として掲げた。最後に武田会長は「日病薬としての歩みを進め、病院薬剤師にとってより明るい未来につなげていきたい」と述べて締めくくった。