ジェイファーマが上場 LAT1阻害剤でグローバルへ 𠮷武社長「日本のバイオエコシステム動かしたい」
公開日時 2026/03/26 04:50

ジェイファーマは3月25日、東京証券取引所グロース市場に新規上場した。𠮷武益弘代表取締役社長は記者会見に臨み、「日本のバイオベンチャーは信じられないという機関投資家の評判を、私たちは覆したい」と意気込みを語った。同社は、細胞膜に出現するトランスポーター「LAT1」に特化した創薬ベンチャー企業。LAT1阻害剤・ナンブランラト(開発コード:JPH203)については、胆道がん2次療法を対象疾患としたグローバル第3相臨床試験を実施している。𠮷武社長は、「日米欧同時開発、同時承認を目指しており、1000億円を超えるブロックバスターに育て上げたい」と述べた。
同社は、杏林大学の遠藤仁名誉教授が創業した創薬ベンチャー。遠藤名誉教授が加わったチームでLAT1分子を発見し、ナンブランラトを合成した。NEDOやAMEDの資金を活用し、第1相臨床試験まで独自で実施。その後、大手製薬企業でグローバル承認の実績をもつ𠮷武社長らのチームに承継され、約7年にわたり開発が続けられている。
ナンブランラトは、単剤による胆道がんの2次療法の第3相臨床試験に加え、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)との併用による胆道がん1次療法、KRAS変異大腸がんなどを対象とした臨床開発も進められている。また、再発を伴わない2次性進行型多発性硬化症を対象とした中枢神経系移行型のJPH034も、3月から米国で第一相臨床試験を開始した。
◎吉武社長「日本の創薬ベンチャーが創出した医薬品を育てることが投資家への恩返し」
記者会見で𠮷武社長は、上場の目的について、「フェーズ3のパートAをやるのにあと20数億円要る状況で、それを集めれば私たちは本当のグローバル製薬会社の仲間入りになる」と強調。一方でナスダックでの上場を行わなかった理由については、「今のガバナンスの形に耐えうるためにはアメリカ人を多く雇わなければならず、今は予算が合わない」と言及した。
そのうえで、「日本で創出したシーズを日本人がここまで創り上げ、日本の創薬ベンチャーから生まれた創薬として育てることが投資家への恩返しにもなる」と語った。また、「私たちがユニークで真似しないものを持っていれば、世界の色々な方々が一緒にやって働いてくれる。それをビジネスにつなげていき、日本のバイオエコシステムを動かしてみたい」と決意を示した。