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製薬企業主催の講演会 医師の8割が「スライドチェックに制約感じる」 企業間の判断基準で統一化求める

公開日時 2026/05/08 04:52
製薬企業主催の講演会(Web含む)の講演依頼を受けた医師の8割超が「スライド確認を含む事前審査」に制約を感じ、企業間に差があると認識していることが分かった。調査はエムスリーがm3.comのパネルを用いて実施した。企業側が行うスライドの事前審査で「使用しにくい」と感じたものは、「他剤との一般的な学術的比較・考察」で回答の6割を占めた。ただ、「講師として医学的・教育的に十分な情報提供ができているか」との設問に対し、「ほとんどできていない/あまりできていない」が2割超を占める一方で、「ある程度できている/十分できている」は5割弱を占めた。また、過半数の医師が、患者への“一定の不利益”という弊害を感じ始めていることも浮かびあがった。環境改善については、企業間の判断基準の統一化や、行政・業界・医療界・学会による共通の考え方・指針の明確化などが求められた。

調査は、エムスリーが過去3年以内に1度以上製薬企業主催の講演会に登壇した医師を対象に、25年12月(n=101)と、26年1月(n=50)の2回に分けて行った。回答医師の診療科別内訳は、呼吸器内科医24%、一般内科医16%、精神科医、リウマチ科医、循環器内科医がそれぞれ4%。その他の診療科を含めると全回答医師は51診療科に及ぶ。

◎スライド内容の事前審査 「強い制約感じる」35.8%、「ある程度の制約感じる」53.0%

講演会を主催する製薬企業が行う「スライド内容の事前審査」について聞いたところ、「強い制約を感じている」との回答が35.8%(1回目33.7%、2回目40.0%)、「ある程度の制約を感じている」が53.0%(1回目52.5%、2回目54.0%)となり、88.8%の医師が少なからず「制約を感じる」と回答した。一方で、「あまり感じていない」は10.6%(1回目12.9%、2回目6.0%)、「ほとんど感じていない」は0.7%(1回目1.0%、2回目0%)となった。

◎スライド事前審査の「企業間の差」 「非常にある」33.1%、「ある程度ある」53.6%

次に、スライドの事前審査に「企業間に差があるか」を聞いたところ、「非常に差がある」との回答は33.1%(1回目31.7%、2回目36.0%)、「ある程度差がある」は53.6%(1回目49.5%、2回目62.0%)で、企業間の差を感じる医師が増える傾向を示していることが分かった。

医師の自由コメントでは、「高齢者に合わせて用量を減量することは当然なのに、それが規制当局からの指示に抵触する可能性があるという意味不明な指摘もあり大変困ったことがある。ただし、製薬会社が変わると言うことが違うので、製薬会社に寄ると思う」という意見や、「とにかく各会社の基準が不明確で曖昧。それぞれが都合の良いようにしている」というフリーコメントもみられた。

◎使用できないコンテンツ 「他剤との一般的な学術的比較・考察」が62.9%

また、スライドの事前審査により「講演に使用しにくい/使用できない」と感じる内容について聞いたところ、「他剤との一般的な学術的比較・考察」が62.9%(1回目58.4%、2回目72.0%)でトップ。1回目より2回目の方が高まっている。次いで、「添付文書と一致しない海外ガイドライン治療や標準的とされる治療法」は41.7%(1回目45.5%、2回目34.0%)、「一流とされる国際誌に掲載されたにもかかわらず他社製品との比較が掲載されたメタ解析データは使用制限がかかる」が同じく41.7%(1回目36.6%、2回目48.0%)、となった。

また、「一流とされる国際誌(NEJM、Lancet や当該科のトップジャーナル)に掲載された臨床研究結果(RWDなど)においても、添付文書と異なる治療量などが含まれた場合の使用制限」については40.4%(1回目44.6%、2回目32.0%)となっていた。

◎十分な情報提供について「あまりできていない」17.9%、「ある程度できている」43.7%

講師として「医学的・教育的に十分な情報提供ができていると感じるか」との質問に対しては、「ほとんどできていない」が6.0%(1回目2.0%、2回目14.0%)、「あまりできていない」が17.9%(1回目17.8%、2回目18.0%)となる一方で、「どちらともいえない」は28.5%(1回目32.7%、2回目20.0%)、「ある程度できている」は43.7%(1回目42.6%、2回目46.0%)となっていた。さらに「十分できている」は4.0%(1回目5.0%、2回目2.0%)となり、医学的・教育的な情報提供については、否定的な感覚より肯定的な感覚の方が上回っていた。

「講師として本来は伝えるべきだが、伝えられていないと感じる情報はあるか」との質問に対しては、「あまりない」が20.5%(1回目22.8%、2回目16.0%)だったのに対し、「ある程度はある」との回答が45.7%(1回目46.5%、2回目44.0%)となっていた。このほかに、過半数の医師が、患者への“一定の不利益”という弊害を感じ始めていることも分かった。

◎企業に求める改善策 「製薬企業間での判断基準の統一化」53.6%

「現状を改善するために、最も有効だと思う取り組みは何か」と聞いたところ、「製薬企業間での判断基準の統一化」が53.6%(1回目56.4%、2回目48.0%)で最も高かった。次いで、「行政・製薬業界・医療界・学会による共通の考え方・指針の明確化」が51.7%(1回目51.5%、2回目52.0%)となった。ほかにも、「公的・中立的な第三者による講演スライドの審査・助言体制」が37.1%(1回目36.6%、2回目38.0%)となっていた。
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