日本イーライリリーは８月２日、医師らへの資金提供内容を開示する透明性ガイドラインに基づき、2012年度（12年１月～12月）の支払い実績を同社ホームページ上で公開した。支払い総額は163億8000万円で、12年度売上1757億4000万円に占める割合は9.3％となる。これまでに武田薬品、ファイザー、ノバルティス、サノフィ、アストラゼネカ、バイエル薬品などが開示したが、リリーの対売上比率は最も高く、２番手のノバルティス（7.3％）より２ポイント高かった。

最も支払い額が多かった項目は臨床試験費の78億2900万円（10万円以下切り捨て）で、支払額全体の47.8％を占めた。これに次いで多かった項目は講演会費の38億4700万円、支払額全体の23.5％となる。講演会の年間件数は4908件だった。ただ、同社では12年初めのシステム変更の際にコーディングに不都合が発生し、本来であれば学会共催費の項目で開示するものを今回は講演会費に含めており、その点に留意が必要となる。

ＭＲによる自社品説明会などの費用を指す説明会費は７億9000万円で、件数は４万2494件。ＭＲ活動の一環として医療関係者に提供する飲食費や慶弔などの「その他費用」は４億4700万円で、支払額全体の2.7％となった。

Ａ．研究費開発費　総額98億6224万2023円
共同研究費　５億2952万242円
委託研究費等　3091万9859円
臨床試験費　78億2920万4929円
製造販売後臨床試験費　1078万9621円
副作用・感染症症例報告費　３億8650万831円
製造販売後調査費　10億7530万6541円

Ｂ. 学術研究助成費　総額５億4990万3802円
奨学寄附金　３億3841万5100円
一般寄附金　１億2991万2000円
学会寄附金　7786万6800円
学会共催費　370万9902円

Ｃ．原稿執筆料等　総額６億3168万6586円
講師謝金　５億6478万1004円
原稿執筆料・監修料　2643万1548円
コンサルティング等業務委託費　4047万4034円

Ｄ．情報提供関連費　総額48億8942万6667円
講演会費　38億4705万8821円（4908件）
説明会費　７億9055万3890円（４万2494件）
医学・薬学関連文献等提供費　２億5181万3956円

Ｅ．その他の費用
接遇等費用　４億4722万1926円